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737 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 11 24 32 ID 7EEHaHC/0 『自分の特徴』 ・性別:[22] ・年齢:[男] ・顔の特徴:[のび太] ・性交渉経験:[ある] ・相手との関係:[高校時代の後輩] ・相手に送るメールの方向性など:[クオリティ高ければなんでも] 『相手の特徴』 ・ニックネーム:[スネ美] ・性別:[女] ・年齢:[21] ・顔の特徴:[ブスではないがピザ] ・性交渉経験:[彼氏もち] 『その他』 ・長文OKか:[OK] ・写メネタOKか:[NG] ・タゲに対する自分の思い:[友達] ・勇者との仲の良さ:[たまにメールするくらい] 俺「起きてる?」 タゲ「寝てます(-_-)zzz」 ここからお願い 745 740 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 11 25 14 ID 7EEHaHC/0 すいません。かぶったんで 750 で 750 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 11 26 39 ID bR952qjL0 この夢遊病が 758 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 11 30 36 ID 7EEHaHC/0 まずはジャブですか… 750 送信 772 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 11 35 07 ID 7EEHaHC/0 750 そんな器用なこと出来ません(-_-)zzz クオリティ低い…もっと高いのお願い 790 785 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 11 40 52 ID uudAkyt20 この間、彼氏が他の女と歩いてるところ 見たんだが、報告いる? 786 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 11 41 06 ID uudAkyt20 この間、彼氏が他の女と歩いてるところ 見たんだが、報告いる? 787 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 11 41 19 ID uudAkyt20 この間、彼氏が他の女と歩いてるところ 見たんだが、報告いる? 788 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 11 41 24 ID Pokg0tHH0 この間、彼氏が他の女と歩いてるところ 見たんだが、報告いる? 789 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 11 41 31 ID uudAkyt20 この間、彼氏が他の女と歩いてるところ 見たんだが、報告いる? 790 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 11 41 32 ID LWnIxze50 とりあえずいまからDIO倒しに行こうか 792 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 11 45 55 ID 7EEHaHC/0 785-789 必死だな(ワラ 790 送った 796 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 11 46 41 ID 7EEHaHC/0 ちなみにタゲの彼氏は通っていた高校の先生だがなwwwww 799 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 11 49 13 ID 7EEHaHC/0 790 だが断る うはwwwwwそういやこいつ漫研だったwwwww 810 810 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 11 55 53 ID LWnIxze50 じゃぁジャンケンしようぜ!三回勝負なッ! 823 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 11 58 52 ID 7EEHaHC/0 810 送信 安価なら↓ 829 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 12 04 45 ID 7EEHaHC/0 810 暇なんですか?日曜なのに? 暇じゃなきゃこんなことしない 840 JOJOばかりだなwwww 840 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 12 08 50 ID LWnIxze50 ヒマだからお前にメールしてんだよ、このド低脳がぁーッ! 852 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 12 12 42 ID 7EEHaHC/0 840 送信 以下安価 タゲの実家のすぐ近くだよ。 住所教えるから行ってみたら? 862 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 12 16 41 ID 7EEHaHC/0 840 のび太さんってJOJO好きでしたっけ? あたしも今日は暇なんですよ(*^ー゚) 863 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 12 17 02 ID 7EEHaHC/0 あんか忘れた 875 875 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 12 20 57 ID Gr5/vJM80 この間、彼氏が他の男と歩いてるところ 見たんだが、報告いる? 881 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 12 24 03 ID 7EEHaHC/0 875 送信 一瞬他の女って打ちそうになったぜ あぶねえ 897 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 12 31 11 ID 7EEHaHC/0 875 えー、どこでみたんですか? ただ帰りに飲みに行ってたとかですか? 何だよ。勘違いしなかった 805 898 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 12 32 05 ID Gr5/vJM80 897 再安 899 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 12 32 10 ID uudAkyt20 897 安価は905だよな 904 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 12 33 47 ID 7EEHaHC/0 898-899 ごめん 905で 905 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 12 33 53 ID rnsyQq9B0 いちいち追求すんなよwお前に彼氏がいるだけでも奇跡なんだから 普通ならお前なんかお得意の漫画で妄想しときゃよかったものを まぁお似合いだけどなwブサイクコンビw 914 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 12 36 50 ID 7EEHaHC/0 905 こんなん送ったことねえよ どきどきだ 送信 あんかなら↓ 927 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 12 40 33 ID 7EEHaHC/0 905 追求するなって…自分から報告するって言ったじゃないですか 可愛くないのは自分でも分かってますよー そんなに怒ってない……のか? 940 933 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 12 42 01 ID 7EEHaHC/0 こいつ文章へたくそだなぁ… 自分って言葉で2人のこと差してる…… あんかなら↓ 940 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 12 42 51 ID rnsyQq9B0 じゃあ整形するか死ねよ 944 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 12 44 42 ID 7EEHaHC/0 940 これはもう即死かもわからんね 送信 955 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 12 49 59 ID 7EEHaHC/0 940 ひどい 一言でした。返信してくれただけ良かった… ということで 965たのんだ 965 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 12 51 43 ID uudAkyt20 冗談 実は君のこと好きなんだ 977 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 12 54 40 ID 7EEHaHC/0 965 ここで苺? メール拒否されてなきゃ良いけど… 送信 あんかなら↓ 15 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [] 投稿日:2005/11/20(日) 13 05 20 ID 7EEHaHC/0 ここでいいのか? 前すれ 965 私も好きです なわけないじゃないですか。 皆にこんなメールしてるんですか? たいしてこたえてねえwwww 良かったwwww 40 安価なら↓ 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 13 12 24 ID rnsyQq9B0 デブスをからかうのは楽しいからな これくらいしか利用価値ないし 44 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [] 投稿日:2005/11/20(日) 13 14 00 ID 7EEHaHC/0 これは 41なんだよな? 47 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [] 投稿日:2005/11/20(日) 13 16 34 ID 7EEHaHC/0 41 送信した 流石に即死だろうな 49 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [] 投稿日:2005/11/20(日) 13 23 46 ID 7EEHaHC/0 OTL..... タゲが高校時代の知り合いに報告しやがった… 53 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [] 投稿日:2005/11/20(日) 13 26 12 ID 7EEHaHC/0 でんわちゅ 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 13 26 32 ID Gr5/vJM80 53 安価ああああああああああああああああああああああ 58 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [] 投稿日:2005/11/20(日) 13 28 07 ID 7EEHaHC/0 電話オワタ びっくりした。 報告したほうがいいよな 55 ごめん。時間無かった 67 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [] 投稿日:2005/11/20(日) 13 41 23 ID 7EEHaHC/0 41を送った直後くらいに、高校のときの同級生(女)から電話。 ちなみに、こいつはスネ美と同じ大学で同じ学部。 漏れ、こいつ、スネ美は高校の生徒会で同じだった。 んで、何の気なしに出てみたら、開口一番 「あんた暇だからってスネ美に変なメール送ってるでしょ」 これにあせって、知らないよ見たいな事を言ったら、相手ぶちきれ。 さっき送った『彼氏がいるだけ奇跡』や『整形するか市ね』のメール転送されて持ってるらしい。 どうもスネ美が他にもこんなメールしてるのか確認するためにこいつに送ったらしい。 で、いいわけして電話を無理やり切って 49書き込み 69 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [] 投稿日:2005/11/20(日) 13 42 06 ID 7EEHaHC/0 そしたら直後にまた電話。41のメールが来たらしく、さっきより切れてる。 そこでテンパっちゃって「うっさいブス市ね!」って言って電話切った。 そして他にも生徒会のやつら数人からメールが来ている件について 怖くて見れません。そして電話がめっちゃ来てます。 どうしたらいいんだ… 78 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [] 投稿日:2005/11/20(日) 13 44 52 ID 7EEHaHC/0 そして誰からメール着てるか確認しようにも、電話がなりっぱなしでムリな件 出たほうが良いのか?? 87 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [] 投稿日:2005/11/20(日) 13 47 58 ID 7EEHaHC/0 ちなみに電話はさっきの同級生からね。 出るんなら相手のスペック書いたほうが良いかな? ってこいつずーっと電話してるよ… 102 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [] 投稿日:2005/11/20(日) 13 56 19 ID 7EEHaHC/0 なんかさっきまでの焦りがなくなってきた。 どんなあんかが来ても今ならできる木がする… 電話がうるさすぎるので出るわ 110 115 120 でいい? 98 乙です 110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 13 57 58 ID rdzevMW00 電話とって、まず最初に 「フォ――――――――――――――ー!」 長さは息が続く限り 続き 115よろ。 115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 13 58 54 ID DFo8h13W0 おまえが好きなんだ。 それ以外どうでもいい。 120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 13 59 37 ID rcqwdY6o0 [バンザイ」を熱唱 126 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [] 投稿日:2005/11/20(日) 14 02 02 ID 7EEHaHC/0 電話は同級生ね。スペックさらす スペック 『相手の特徴』 ・ニックネーム:[しずか] ・性別:[♀] ・年齢:[22] ・顔の特徴:[顔は可愛いがきつい] ・性交渉経験:[多分有る] 125 了解。留守電のメッセージ件数が限界を超えた件について 行って来ます 140 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [] 投稿日:2005/11/20(日) 14 07 00 ID 7EEHaHC/0 おとこでた 142 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [] 投稿日:2005/11/20(日) 14 07 46 ID 7EEHaHC/0 まだはなしてる 168 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [] 投稿日:2005/11/20(日) 14 15 21 ID 7EEHaHC/0 電話終わった… 安価なら↓ 185 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [] 投稿日:2005/11/20(日) 14 27 22 ID 7EEHaHC/0 じゃあ報告 電話でてすぐに 110をしようと思って、息を吸ってから電話に出る。 俺「フォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」 思いのほかテンションがあがってたらしく思ったよりでかい声を出す。 ちなみにコレに反応して隣の住人が壁を叩いてきたww で、限界まで声を出して息継ぎしてたら電話口から声が 「お前、何やってんの?」 どうみても男の声でした。 197 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 14 35 55 ID 7EEHaHC/0 声の主は高校時代の友人でありしずかの彼氏。 生徒会とは関係ないのでスネ実との接点はなし。 以下出来杉とする。 出「お前何やってんの?」 俺「あ?え?」 出来杉はしずかと一緒にいたらしく状況は把握していて、俺を注意してくれと頼まれたらいい。 『うっさいブス視ね』が聞いたらしく出来杉でも手がつけられないらしい しばらく説教されるも、適当に相槌打ってたらいきなりしずかに変わる。 し「あんたね、ふざけてるんじゃくぁwせdrftgyふじこlp;@:」 その後かなり俺を罵倒する言葉の嵐 以下抜粋 「自分の顔を見てから人のことブスって言いなさいよ。この馬面!」 「あんたから真面目をとったらキモイしか残らないんだから!」 「スネ美だってあんたが先輩だから我慢してるんだからね。高校時代からキモかったっていってたんだから!」 漏れは死んだほうがよろしいんでしょうか? 199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 14 37 32 ID znhJggPa0 197 ツンデレしずか 200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 14 37 35 ID DFo8h13W0 197 おまえは今泣いていい・・・ 202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 14 37 54 ID 6I2eFM/o0 そうか・・・顔が伸び太なのな 211 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 14 41 54 ID 7EEHaHC/0 本当はすぐにでもきりたかったが、まだ安価が残ってた&一言言ってやらなきゃ気がすまない との思いから、暫く黙って聞いていた。 相手が一息ついたときに 115 しずか( ゚д゚)ポカーン 漏れ追撃で「バンザイ」を歌いだす 「ばんざーい。君を好きでよかったー」 再び壁を叩かれるものの無視してでかい声で歌いまくる。 しずかが何か言ってるが無視。 覚えてるところだけ歌い終わったので「市ね!この淫乱!」 と叫んで電話切る&即着信拒否 こんな感じですが、これからどうしよう? ちなみにスネ美からメール着てた。 212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 14 42 57 ID tAmE2tmn0 211 安価だせ。 ・・・・・隣の人に。 213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 14 43 25 ID DFo8h13W0 211 おまえ捨て台詞好きだなwww 214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 14 44 20 ID VltGDLaG0 211 馬面は、助けてくれる ドラえもんいないの? 216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 14 44 38 ID Y3xL4Euc0 211 ふむ、で、内容と安価は? 217 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 14 44 46 ID 7EEHaHC/0 今、チャイムなったので穴からのぞいたら隣の兄ちゃんでした。 どうみてもドビ職です。本当にありがとうございました。 行動安価 220 220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 14 45 33 ID tAmE2tmn0 一緒に飲む 225 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 14 46 42 ID 7EEHaHC/0 220 了解 ドアをどんどん叩いてる。 生き帰れたら報告する 263 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 14 58 53 ID 7EEHaHC/0 ただいま 安価なら↓ 318 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 15 15 14 ID 7EEHaHC/0 報告 相手:隣の兄ちゃん 安価: 220 一緒に飲むということだったので、冷蔵庫をチェック。 酒類は無く、オレンジジュースしかなかったので、それをコップについで玄関へ。 ドアを開けたら兄ちゃんかなり切れてる 「お前、日曜日の昼間からうるさいんだよ!近所迷惑だろ!」 かなり低いドスの聞いた声。でも頭は寝癖。起こしたっぽい。 俺「はぁ…」 兄ちゃん「はあじゃねぇよ!てめぇは誤り方もしらねえのかよ!」 多分俺どうにかしてた。ってかもうどうでもよくなってたっぽい。 俺「…そんなことより一緒に飲みません?」 とオレンジシュースのコップを差し出す。 兄ちゃん切れてコップを奪って地面に叩きつける。砕けるコップ。 「てめぇ!俺をなめてんじゃねぇよ!!死にてえのか!!あぁ!!」 胸ぐらを捕まれるも、不思議と怖くなかった。というか変な高揚感を感じてる。 と、兄ちゃんの声とコップの割れる音に心配した逆隣の住人が出てくる。リーマンぽい人。 で、胸ぐらつかんでるところを見て驚いてる。 兄ちゃんは胸ぐらつかんでいた手を離して、俺の家のドアを蹴って隣の家に帰っていった。 リーマンもすぐに部屋に戻ったみたい。 俺は砕けたコップの破片を拾ったりして部屋に戻ると携帯が壊れるくらいメール着てた。 安価なら↓ 325 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 15 18 04 ID Y3xL4Euc0 320 志村ー二つ前のレスの人がどうしようもなくなってるw 342 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 15 24 01 ID 7EEHaHC/0 このなんともいえない高揚感はやばい。 抜け出さないと癖になりそう。 メールはスネ美から3通。しずかから20通。 其の他高校の生徒会の同級生や後輩の女子3人から1通ずつきてた。 スネ美 「人をからかって面白いんですか?」 おそらく 41への返信 「しずかさんにもやってるんですか?」 「他の人にもやってるのか聞いてみます」 しずかは「電話でろ」と「他のやつにも伝える絶対許さない」って言う脅しばっかり。 他の三人からは 「スネ美に何したんですか?よくわからないんですけど?」 みたいな感じのメールですた。 さて、自体が大きくなってるんだがどうしたらいいだろう。 という割には全然恐怖を感じてない俺ガイル 325 どうしようもなくなってるはずなのにもものすご冷静なんだが とりあえず誰に何をすればいいか教えてプリーズ 355 355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 15 27 52 ID qToE4vUR0 全員に 『ごめん、僕の家の犬に携帯盗られちゃって・・・。 僕の雌犬ちゃんもおしりに棒突っ込んで謝ってるから許してくれないかな?』 って送る。 370 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 15 31 58 ID 7EEHaHC/0 なあ、どうして他の勇者はフラグとか立つんだ? 漏れには全然気配すらないんだが さらに 355だろ? 別にフラグ立たせたいとは言わないけどさ、 今まで築き上げてきた信用が一気に崩れるって凄いよな。 まあ全員大学違うから構わないといえば構わないけどさ… でも絶対同窓会とかいけないよな 355 送信した 380 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 15 33 36 ID VltGDLaG0 370 でもおまい真面目なだけが取り柄のキモイ馬面まで 言われて、付き合っていきたいのか? 381 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 15 33 39 ID qToE4vUR0 370 ペット同然にあつかっている野良犬に携帯取られて その犬がなにかの事故で痛い目を見て必死で謝ってるんですよ? 382 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 15 33 41 ID Dd5ju2t00 370 だってお前タゲのこと好きじゃなさそうなんだもん。 401 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 15 38 35 ID 7EEHaHC/0 380 本音がわかった今なら別にそうは思わない。というか他の女共もそうだが 持ち上げて落とすとかあったじゃん…もういいけどさ 381 把握した。それなら大丈夫かもな…ってねーよwwwwww 382 タゲというか、最近は別に好きになるという感覚が無い。 ひどい降られ方したからな。そのときもやさしいだけの能無しとしわれたっけ、そういえば。 安価なら↓ 403 名前:ギブソン ◆9pQWLJT77I [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 15 38 47 ID kg2iSzXF0 お前らも口ほどに無い奴だな! 404 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 15 39 24 ID 7EEHaHC/0 403 とりあえず帰ってくれないか?話はそれからだ 430 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 15 46 18 ID VltGDLaG0 のび太はさぁー高校時代の友人関係切って 新しく友達なり彼女なり作ったほうがよくないか? その連中、おまえのこと友達だと思ってないと 思うんだが・・・。 431 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 15 46 41 ID 7EEHaHC/0 355 返信来た しずかとスネ美が同じ内容だった。合流したっぽい。 「しね。今からお前の家行くから。謝っても許さないからな」 他の三人では一人しか返事が来なかった。 こいつも後輩。しかも妹の友達.でめっちゃいい娘。 「なんかの罰ゲームですか??しずか先輩から電話来たんですけど、ひどいこと言ったって本当ですか?」 さて、どうしたら良いかな? 445 445 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 15 51 20 ID 8A5rkrCj0 となりのお兄さんの家に逃げ込む。 440 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 15 50 40 ID 7EEHaHC/0 430 高校時代のやつらとはメールするくらい。ただ生徒会連中は何かあるたびにあってた といっても男子だけ。 女子は同学年にしずかだけ、彼女は生徒会男子との交流はあんまりない。 俺とは普通に話してたし、結構話してたんだけどねぇ… 後輩の女子は…仲は良かったはずなんだけどねぇ… 大学に友達はいるからいいさ。彼女いないけど。 でも高校関係から漏れて大学関係まで浸透するのはいやだ 安価なら↓ 472 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 15 59 34 ID 7EEHaHC/0 445 修羅場か… というか、安価が実行できない可能性が高い上にクオリティが下がる結果になると思うのだが… あと、今更ネタバレしても面白くない。 というより、しずかからいろいろ聞いてあの女をどうにかしてやらないと気がすまない。 445は隣の兄ちゃんの部屋に助けてって言いながらドアを叩くくらいでいいよな? 追加でしずかとスネ美がやってきたときの行動安価 480 482 485 488 490 480 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 16 02 12 ID rdzevMW00 第一声 「お前の親と大学に連絡しといたから。」 482 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 16 02 12 ID rnsyQq9B0 お前らこんな暇つぶしに付き合ってくれて ありがとう。本当暇人ですねwせいぜいピエロみたいに 楽しませてくださいwお前らの負け犬の遠吠え楽しみにしてるw といえ 485 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 16 02 15 ID VltGDLaG0 俺のどこがキモイんだと言ってキレル 488 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 16 02 24 ID qToE4vUR0 HGのマネをしながら出迎える。 そして「雌犬にな・ら・な・い・か?」 と耳元で甘く言う。 490 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 16 02 26 ID PWfxho8M0 全裸でジャンピング土下座 525 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 16 09 04 ID 7EEHaHC/0 480 482 485 488 490 つまり 全裸でHGのまねしながらドア開けて 「お前の親と大学に連絡しといたから」 といいながらジャンピング土下座、すぐさま耳元で甘く「雌犬にならないか?」 とささやいてからどこがキモいんだ!とキレ、 482を捨て台詞に隣の兄ちゃんの部屋へ逃げるのか… できるだけやってみるよ… 538 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 16 12 49 ID 7EEHaHC/0 とりあえず脱いだ。 なぜか漲ってるんだが。あそこが これは死を目前にすると種としての本能が云々なのか…… 逮捕だけはされないようにしたい。だが安価を無視するのもいやだ というか普通ならもっと冷静なんだろうけど、全裸で出迎えるくらいなんでもない気がするのはどうしてだろう。 ビキニ型の海パンはいたらダメか? 561 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 16 17 20 ID 7EEHaHC/0 とりあえず、彼氏とかきてたら生きて帰れないかもしれない。 そう思うのだが、変な高揚感が。 これはやばいかもしれない。 とりあえず、現状の写真撮ったのだが、どこかアップするところ無いかい? 595 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 16 30 04 ID PhApVymv0 のび太画像まだ? 613 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 16 36 27 ID 7EEHaHC/0 595 http //h.pic.to/3pdtz 後悔はしない 安価なら↓ 616 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 16 37 57 ID PWfxho8M0 613 なんか20年前ぐらい前の写真みたいだなw 617 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 16 37 58 ID xZYPVHwo0 ちょwwwwktkr いや、お前少しは後悔しといた方がいいぞ 安価なら下 619 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 16 39 18 ID lHbKCe7l0 613 あーこれは真面目君が無理してるって感じやね 620 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 16 39 34 ID 9q4Z5q/Q0 613 遺言はしかとうけたまった 華々しく散ってこいw 621 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 16 40 25 ID 7EEHaHC/0 ちなみに、しずかからメール着てた 「逃げても無駄だからな。絶対許さないからな」 「わかった。寒いから早く来て」と勝手に返信してしまった。すまん。 639 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 16 45 13 ID 7EEHaHC/0 616 携帯古いからな。 ん?画質じゃなくて別のものか? 617 普段なら絶対こんなことしない。というか出来ない。 軽い気持ちで勇者になったけど、まさかこんな高揚感を得られるとは 619 やね。普段の俺を知ってるやつがみたら驚くわな。 さっきから必死にHGのまねを練習してるんだが、上手くいかないんだ。 こつを教えてくれ 620 隣の兄ちゃんの部屋に行くのがきついな。 だが、俺は、クオリティの壁を越えてやる そろそろ来る頃だな。コンビニに行って酒とか買って着たい気分だが、今は全裸。 しかもいつくるか分からないから変に外出できない。ツラス 656 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 16 50 28 ID 7EEHaHC/0 来たらしい。どう見ても男です。 ドアをがんがん叩いてます。 それでは行って来ます(゚д゚)ゝ 105 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [] 投稿日:2005/11/20(日) 19 31 13 ID 7EEHaHC/0 ちょっと大変なことになった(´・ω・`)ショボーン 141 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 19 38 58 ID 7EEHaHC/0 まだいろいろ方着いてないのだが、ちょっとだけでも報告しようと思う。 ちなみにすぐに外出しなければならないので詳しい報告はその後になると思う。 とりあえず、安価は「雌犬にならないか」以外はクリアした。 その代わり、前歯が一本折れた。 まあ、察してくれ。 あと、隣の兄ちゃんはいいやつだった。リーマンは見てみぬ振りされた。 人生って、一日で簡単に変わるんだな。 169 名前:のび太 ◆6Z.Y706knk [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 19 43 57 ID 7EEHaHC/0 まあ、詳しい報告は帰ったら必ずやるからちょっと待っててくれ。 ってか、昼間の過疎がうそのようだな。 じゃあ、今からドアの向こう呼んでる人たちと話し合いに言ってくるわ(・ω・)ノシ のび太2
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のび太のDead Space 2 制作者:nobina氏 翻訳者:有志数人 制作ツール:RPGツクール2003 从26世纪回来后,大雄连续做噩梦。他认为这个一切和信标有关,他已经准备好一切。带着必死的决心,他坐上了时光机…… 概要 2003での改造版。 BIO HAZARDシリーズではなく、DEAD SPACEというゲームをモチーフとしている。 ゲームのスタイルはSilent Hillをモチーフとしている。 前作のび太のDead Spaceの正統続編。 本家からの変更点 シナリオ・マップ・敵・システム全て。 隠しストーリーやクリア特典などのおまけ要素が多く追加されている。 東方Projectの影響を受けて作られたアクション要素がある。 特技の使用や回復アイテムの使用などを、メニューを開かずに行うことができる。 無理のないバイオをベースにしているだけあり、即死トラップや体力が強制で1になるイベントがあるなど初見殺しの要素が多い。 その他 露骨な性描写がある。 有志により日本語化パッチが作られている。
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のび太 出自:警備隊隊長 魅力 知力 政治 特殊能力 - - - 嫌がらせ 解説 警備隊隊長 妨害しやすく妨害されにくい 陰険で恨みを買うとしつこく妨害される 好感度0 友好度0 特徴 266 : ◆cMs5e3r5eY [] :2012/06/28(木) 14 42 28 (やら)最後は野比のび太って奴だろ (やる)警備隊の隊長ですお 正直【無能】な奴ですお 怠け者で寝てばかりいる奴ですお ただ【陰湿な性格】で敵対したら ねちねちと仕返ししてくる奴ですお
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前へ 絶望の再会 のび太は自分が作ったポケモンの世界の欠陥を思い知らされた。 この世界の支配者は自分じゃない『レッド』なのだと―― 降りしきる雨の中、のび太はフラフラとそんなことを考えながら歩いた。 空地を出て、レッドが住んでいる王宮の方角を目指した。 会いたい、会ってレッドの存在を確かめたい。そんな気持ちが募る。 腹立たしい、自分を差し置いて王気どりなのが許せなかった。 (この世界を作ったのはレッドじゃない、この僕だ) その気持ちだけが心を支配した。 しかし、雨は止むことはなく、のび太に容赦なく降りかかる。 それはのび太がこの世界の支配者じゃないことを暗示しているかのようだった。 寒い、傘もささずに夜道を歩いていれば当然だ。 何か、雨を凌ぐものがあれば…… のび太はどこかにコンビニでもないかと探したが、見つからなかった。 今の世の中、コンビニはどこにでもあるはずだったが、この世界にはコンビニ一つもない。 このままでは風邪を引いてしまう。せめて厚着を着てくれば良かった。 のび太が絶望に浸っていると誰かが傘を自分に差し出してくるではないか。 (ラッキー!) のび太に傘を差し伸べてくれた人物は、 170センチ前後ののび太と同じくらいの背丈の長身の女性で、のび太は見覚えがあった。 幼き頃からの友人、源静香だ。 「のび太さんね。傘もささないで歩いてびしょぬれじゃないの!」 のび太は開口一番から怒られた。 でも嬉しかった。やっと見知った人と巡り合えたのだ。 「静香ちゃん、久しぶりだね。僕が作ったこの世界はどうだい?」 のび太は調子良く、静香に問いかけた。 「………のび太さん、最低!」 静香は顔を下に向き、一瞬悲しげな仕草をした後、のび太の頬をひっぱたいた。 のび太は不意をつかれてよろめいた。 「のび太さんのせいよ! のび太さんが作った世界はめちゃくちゃよ! この世界に来て一年経つけど、レッドとかいう独裁者が国民を苦しめているだけじゃない! 罪もない善良な多くの人たちがちょっとでもレッドを批判したりしたら、 捕らえられて王宮の地下深くにあるという牢獄に閉じ込められるのよ!」 静香は泣きながら怒気を含んだ声で言った。 その顔は悲痛で様々な苦しみを経験してこなければ出来ないような顔だった。 「この世界に来て一年だって? 今日作ったばかりの世界だよ。僕は今日この世界を創造してやってきたのさ!」 確かに静香とのび太の言っていることには食い違うことがあった。 のび太は今日この世界にやってきたのだ。また、静香も同様のはず…… (どういうことだ? 何らかの拍子で時間軸がずれたのか?)のび太は疑問に思った。静香は一年前にこの世界に来たと確かに言っているのだ。 「確かに、のび太さんを見かけたのは今日が初めてだわ! のび太さんだけ、この世界に来たのはおかしいわね。 でも、のび太さんがこの世界を作って皆を苦しめたのは確かなの! 早く元の世界に戻しなさい!」 静香は既に頭に血が上っている様子だ。怒りに我を忘れそうにさえなっている。 そんな静香を見たのは初めてだった。 「うるさいなっ!」 のび太は逆切れして静香を殴り飛ばした。 はっとしたときには静香の体は地面に横たわっていた。 のび太は後悔した。怒ったとはいえ、まさか自分が手を挙げるとは予想出来なかった。 (しまった……僕はなんということを……) 後悔しても遅い。静香は悲しんでのび太を見上げている。 まさか自分の心がこんなにもすさんでいたとは思いもよらなかった。 「昔ののび太さんとは違う。どうしてなの!? どうして!」 静香は酷く失望した目をしていた。 「ごめんよ……悪気はなかったんだ。ついカッとなって口より手が出てしまった。 今は反省している。けがはしていないかい?」 のび太は反省の色を見せ、静香に近寄ったが、その手を静香が払いのけた。 「近寄らないで! もう知らない!」 そう言って静香は痛みをこらえた様子で立ち上がった。 そして豪雨の中駈け出して行ってしまった。 その瞬間――突然凄まじい落雷が落ちた。静香の方だ。静香の悲鳴が聞こえる。 民家が建ち並ぶ歩道の数軒先からのものだった。 のび太は傘を手に急いで数軒先の民家の近くへと走り出した。 息を切らしながら静香にたどり着くと、 ガクガクと震えている静香を漆黒のジャンパーにフードを被り、 ゴーグルを身につけた男が、静電気を全身にまとったポケモンを従えて見下ろしていた。 「静香ちゃん、この男は?」 問いかけても静香は返事をしてくれなかった。 のび太に対しての嫌悪感とはまた別な理由からのようだ。 それ程この異形の男が恐ろしいらしい。 謎の男が従えているポケモンはトゲが全身を覆っているサンダースだった。 「源静香……トレーナーランキング56位、ゴミめ。 お前のことは知っているぞ王国の反乱分子だ。 レッド様に忠誠を誓わない者は女だろうと容赦はせん」 謎の男はそう言い放つと静香の胸倉を掴んだ。 静香は苦しみもがくが女の力では振りほどくことができない。 「待て! お前は何者だ! どうして静香ちゃんを狙う!」 のび太は鼻息を荒くして謎の男に突っかかった。 「ずいぶん威勢がいいな、だが、調べてみると野比のび太、 トレーナーランキング127位。やはりゴミだな。 俺の相手ではない。俺は王国警備隊員のデンジだ」 「王国警備隊員? 何だそれは」 「王国警備隊とは、王国中のトレーナーの中から選りすぐりのエリート5人で構成された。 王国の秩序を守る部隊だ」 デンジは雨の中、フードと相手の強さが分かるゴーグルを外し、端正な容姿を露わにした。 「丁度いい、この女をかばうのであれば貴様も反乱分子だ。 この俺の電気ポケモンの力を思い知るがいい、いけっ、サンダース!」 「静香ちゃんは僕が助ける! いけっ、キノガッサ!」 二匹のポケモンが睨みを利かせる。互いに主人の命令を今か今かと待っている。 しびれを切らして先に攻撃したのはサンダースだった。 「サンダース、目覚めるパワー氷」 目覚めるパワーとは使うポケモンによって技のタイプが違う特殊な技である。 このサンダースが使う目覚めるパワーは氷。キノガッサの弱点だ。 サンダースの全身から凄まじい冷気が襲いかかる。 あっと言う間にキノガッサはダウンした。 あまりのサンダースの強さにのび太は一瞬何が起きたか分からなかった。 「クソっ、戻れ! キノガッサ!」 のび太は舌打ちをしながらキノガッサをボールに戻して、 まだどんなポケモンが入っているかわからないボールを投げた。 中から出てきたのは期待を裏切る水、飛行タイプのギャラドス―― 闘いの最中、降り注いでいた雨はいつのまにかやんでいた。 しかし、電気タイプのポケモン相手にとっては絶望的なギャラドスが出てくると 悲壮感も出てきた。ギャラドスは中国の龍を思い浮かべる姿で見かけは強そうだが、 現に強いのだが、電気タイプ相手には致命的という弱点を持つ。 何しろ弱点が重なっているのだ。 「俺のサンダースの格好の餌食だ。サンダース、10万ボルトを浴びせてやれ」 デンジの声とともに稲光が走り、凄まじい雷撃がギャラドスを無残にも黒こげにした。 これでのび太は瞬く間に二匹のポケモンを失い、デンジのあまりの強さに驚愕せざるを得なかった。 (レベルが違いすぎる。でも、最後まで諦めない) まだのび太は諦めなかった。諦めやすいのび太でもまだ諦めるのは早い。 のび太には最強のドラゴンポケモン――ガブリアスが残されているのだ。 「いけっ! ガブリアス! もうお前しか残されていないんだ! 絶対勝てよ!」 「いくら強力なポケモンを出してきたところで、 俺のサンダースには勝てない。サンダース、目覚めるパワー氷!」 サンダースは全身を震わせて冷気を放出する。 その威力は極めて高く、ガブリアスを凍りつかせる程だった。 「サンダース、とどめだ。目覚めるパワー氷! 絶望と共に散れ、野比のび太」 デンジは容赦なくサンダースに目覚めるパワーを命じた。 サンダースは凍りついたガブリアスにも容赦せずに冷気を浴びせる。 もはやガブリアスは戦闘不能となっていた。 (この僕がストレートで負けた!?) 気がついたら負けていた。デンジのあまりの強さにのび太は絶望すら覚えた。 「口ほどにもなかったな。さてと……」 デンジはサンダースをボールに戻すと、別のボールを掴み、投げた。 黄色の体色をした鳥が大空を飛翔しながら現れた。 「伝説の鳥ポケモン、サンダーだ。 そして俺の切り札でもあるが、今はこの女をレッド様の元へ送るために使う。 だが、のび太……お前は弱すぎる。虫けらに過ぎないお前は哀れだ。見逃してやる」 そう言うとデンジは横で震えている静香を捕まえると強引にサンダーに乗せて 飛び去ろうとする。静香は必死の抵抗を試みるも屈強なデンジに成すすべもない。 のび太はポケモンを使って何とかしないのかと疑問に思ったが、 静香の腰にはモンスターボールが付いていないのに気付くと ――ああ、ポケモンを持っていないんだなと悟った。 きっと、これまでの戦いで奪われたのかもしれない。 「静香ちゃん!」 のび太は叫んだ。 「のび太さん! 助けて!」 静香は涙ながらに訴える。静香の悲痛な叫びがこだました。 静香の叫びは近所中に届いているはずなのだが、誰も助けようとしない。 辺りを見回してみると不思議なことに、 通行人は誰も気にも留めていない様子なのに気づいた。 路上を歩いている会社帰りのサラリーマン風の男達。 彼等は一人の女性が大男に連れ去られようとしているのに見向きもしない。 のび太は静香を助けようと思案するものの、 デンジと静香を乗せたサンダーははるか上空へと消えていった。 のび太はさっきまで激闘を繰り広げた路上で絶望に打ちひしがれていた。 静香ちゃんを勝手にこの世界に巻き込み、デンジに何も出来ずにあっという間に 静香ちゃんを奪い去られてしまった。静香を助けることができない自分にいら立ちを覚える。 デンジが静香を連れ去るのを阻止できなかった。 阻止するどころか足が震えて何も出来なかった。例えようのない恐怖が支配していた。 (元の世界に戻そう。この世界は何か変だ) のび太は元の世界に戻す決心をした。意を決して自宅へと駆け出す。 自宅へと走りながらのび太はデンジの言葉を思い出した。 『お前は虫けらに過ぎない』 とても腹立たしかった。でも何も出来ない、どうすることも。 もしもボックスを使ってこの世界の存在そのものを消してしまえば忘れるだろう。 しかしその言葉が頭から離れられない。デンジの嘲笑った表情が脳裏によぎる。 でも、のび太は駆け出すのをやめなかった。自分はとても臆病な人間だと思った。 「ふん、言いたい奴は言えばいい」 のび太はそう吐き捨てた。自宅までもう少しだ。これで何もかも終わる。 そう思った時であった。路地を曲がった直後、とても懐かしい見知った者が姿を現した。 その人物は非常に整った端正な美しい容姿の青年だった。 背がのび太よりはるかに高く、見上げるだけで精一杯だ。 190センチは確実にあるだろう長身を持て余してこちらを見下ろしていた。 その人物こそ出木杉英才――のび太の青年期における最高の親友だ。 出木杉とは少年時代はそれほど親しい間柄でもなかった。 しかし、中学校に上がると周りの環境は変わった。 静香やスネ夫など受験して私立中学に通う者が多くなり、 小学校時代に遊んでいた友達は激減してしまった。 出木杉も当然、私立に通うのだと思っていたが、なんとのび太と同じ公立の中学になった。 しかも、クラスも同じ。これは信じられないことだった。 だが、これが出木杉と親しくなるきっかけとなったことは間違いない。 今、その出木杉が自分の前に立っていると思うと激しい動悸がした。 のび太は嬉しかった。すぐにでも今までの経緯を話して謝りたい気持ちでいっぱいだ。 「出木杉、久し振りだな」 そう言いながら出木杉の肩をポンと叩いた。 「愚かな奴だ……」 出木杉はのび太の手を払いのけながら呟いた。 冷徹な視線がのび太の胸を突く。出木杉の目は驚くほど冷徹だった。 かつての優しい出木杉の面影はない。のび太はショックを受けた。 「出木杉、どうしたんだ?」 「のび太、お前はこの世界を元の世界に戻そうとするが、無駄だ。既に手は打ってある」 出木杉が話し終えると、のび太の家の方角からまたも懐かしい人物 ――いや、人ではない猫型ロボットのドラえもんが空を飛ぶ道具『タケコプター』を 頭に装着し、プロペラを回転させながら猛スピードでこちらへと向かってくる。 そして、出木杉の右隣に着地してタケコプターをしまうとのび太へと目を向けた。 「のび太君は相変わらず馬鹿だね。まんまと僕と出木杉君の罠に嵌まるなんて」 ドラえもんが腹を抱えて大笑いしながら言った。 一方、隣の出木杉は眉一つ動かさない。 「どういうことだ、ドラえもん!」 のび太は憤りを隠せなかった。どうして未来へと帰ったはずのドラえもんが 出木杉と一緒にいるのだ? その答えを知りたかった。 「簡単なことだよ。僕は未来へなんか帰っていない。 君と喧嘩したあの日……僕はすぐに出木杉君のロボットになったんだよ」 ドラえもんが高笑いしながら、のび太の問いに答えた。 のび太はその言葉にショックを受けた。 (まさか……そんなことが?) あまりの衝撃に頭の中が真っ白になりそうだ。ドラえもんが出木杉のロボットに? 「その通りだ。ドラえもんは何年も前から俺のロボット。 せいぜい絶望するがいい……愚かなのび太よ」 さらに追い打ちをかけるような出木杉の冷酷な言葉が胸を刺した。 だが、のび太はまだ言い返すだけの気力は残っていた。まだ奥の手があるのだ。 「ふははははははーーっ! それで僕を罠に嵌めたつもりか! 君達はもしもボックスに細工を施して僕に都合の悪い世界を演出させたつもりだろうが、 勘違いしてるぞ! 今から僕が家に戻って元の世界に戻せばそれで終わりだーっ!」 狂ったような叫び声をあげた。そうだ、家に戻って元の世界に戻せば全て終わるのだ。 「………のび太、やはりお前は愚かだ。 たった今もしもボックスはドラえもんが回収したばかりだ。残念だったな」 出木杉の一言にのび太は発狂して叫んだ。 「うああああああああーーっ!」 のび太の絶望が頂点に達し、どん底に落とされたような悲痛な叫びがこだました。 その場に膝をついて拳で雨で濡れたアスファルトを叩いた。両目から涙が流れ落ちる。 「この世界でお前が生き残る道はただ一つ、国王レッドを倒すことだ。 国王レッドにポケモンバトルに勝てばドラえもんは元の世界に戻してくれる。 デンジとのバトルで己の非力さを思い知っただろう。 這い上がれ……のび太」 出木杉はそう言い残すとドラえもんと共にその場を後にした。 レッドの王宮 平凡な街に似つかわしくない威容を示している宮殿。 それはこの国が民主主義ではなく、専制君主による支配を現していた。 この圧倒的存在感を誇る宮殿に仕えているトレーナーはおよそ三百名。 彼らはエリートであり、一般市民の羨望を集めていた。 唯一無二の絶対君主『レッド』の手足のごとく働き、どんな命令も遂行する。 もはや神にも等しい、その絶対君主レッドは背もたれの高い玉座に座り、 片手にワイングラスを持って口に運びながらモニターに映し出された青年の映像を眺めていた。 煌びやかな王冠を被り、華美なマントをはおっている。 「のび太って言ったっけ? この間抜け面に勝てば永遠にこの世界を支配できるんだな?」 レッドは注がれたワインを飲み干しながら、視線を正面に立っている奇妙なロボットに言った。 「約束は守る。お前がのび太君に勝てば、この世界はお前にやる。 でも、お前が負ければこの世界を元に戻す」 ロボットは淡々とした口調で返した。 「ドラえもん、俺がこんな奴に負けると? 冗談はやめてくれ。 俺は地上最強のトレーナー、レッドだ。俺に敵うトレーナーは存在しない」 レッドは自信たっぷりに言い返した。 それもそのはず、レッドは自分が選ばれた存在だと改めて認識する出来事が 一年前に起こったのだ。それは正に彼の人生を大きく左右することだった。 その出来事をレッドは思い返した。一年前――レッドはシロガネ山に居た。 偶然持ち合わせていたラジオで名のあるトレーナーが謎の失踪をするという事件を耳にした時、 レッドの視界が真っ暗になり、意識を失った。 次に目が覚めたときにはなぜかレッドは玉座に座っていたのだ。 レッドは一時混乱状態に陥ったが、頭のいい彼は自分が別の世界に来たことを察知し、 恐らく名のあるトレーナーが失踪したのと深く関連性があるに違いないと考えた。 レッドはこの国では国王として崇められているのを認識すると失踪したトレーナーの行方を捜させ 王宮に集めさせた。それはとても簡単だった。なにしろ服装がこの国の人間と違うからだ。 なんとか失踪したトレーナー全員を王宮の広間に集めさせるとレッドは演説を行った。 『皆さん、我々は見知らぬ世界に迷い込んでしまいました。 しかし、幸運なことにこの世界は我々が居た世界と同様のポケモンの世界です。 この世界で生活することは容易なはず、なぜなら私はこの世界では国王として崇められているのです。 だから心配せず、私にお任せください。皆さんの生活は保証します』 突然、訳のわからない世界に連れてこられ、 平常心を失っているトレーナーの誰もがレッドの言葉に耳を傾けた。 混乱し、パニックに陥っているものが多かったのも幸いして、 元の世界から来たトレーナー全員をいとも簡単に掌握できた。 それからしばらくしてドラえもんと名乗るロボットが訪ねて来た。 ドラえもんはこの世界に自分達を連れてきたのに関与しているという。 『この世界を永遠に支配したいのならば、一年後にやってくるのび太に勝て』 レッドはドラえもんの言葉に承諾し、のび太が現れるのを待った。 そしてドラえもんの言うとおり、のび太はこの世界にやってきた。 レッドはドラえもんが用意したモニターを使ってのび太をどんな人物か見ていたが、 たかがデンジ如きに無様に負けるところを見て拍子抜けしてしまった。 (……のび太は弱い。俺がのび太に負けることは現時点では百パーセントありえない。 だが、潜在能力はかなりのものだ。頂点を極め、多くのトレーナーを見てきた俺には分かる 成長したら相当強いトレーナーになることは明白だ) 心の内でのび太が後々の脅威になることを予感した。 「ドラえもん、のび太は潜在能力だけは計り知れない。 俺はあえて今勝負せず、のび太が成長した時に相手してやる。 それまでこの玉座でひたすら待つ。RPGのラスボスになったような気分だな」 言ってからレッドは腕組みしながら深く目を閉じた。 「………」 ドラえもんは沈黙しながらレッドの言葉に耳を傾けていたが、やがてレッドがそれ以上話さなくなると どんなところでも行くことができる秘密道具『どこでもドア』を四次元ポケットから取り出した。 どこでもドアはピンク色で塗られているだけで、 ドアノブの付いたごく平凡なドアにしか見えない。だが、その性能は素晴らしく、 一度行ったことのある場所ならドアをくぐるだけで瞬時に行くことができるのだ。 ドラえもんはどこでもドアのドアノブをゴムまりのような手でくっ付けて押しあけてからくぐった。 出た場所はとても薄暗く、ひんやりとした牢獄だった。 例えれば刑務所のような場所で鉄格子の中、 多くの囚人たちが手錠をかけられ、身動きできずに固いシーツの上で苦しそうに寝そべっている。 ここはレッド王国の地下にある牢獄だ。 国王レッドに反乱分子として見なされた者達は容赦なく牢獄へと放り込まれる。 そして強制的な労働を強いられ、どんな屈強な者でも音をあげるという。 ドラえもんがこの地下牢に来た理由は二つある。 その一つが労働を強いられた者達を密かに秘密道具で治療するためだ。 それはドラえもんの義務でもあった。なぜなら自分とレッドとの賭けにこの世界の住民は関係ない。 例え仮想世界の住民でも巻き込みたくはなかった。 ドラえもんは手際良く未来の最先端の医療道具で囚人たちを一人一人治療していった。 「すまねえ、いつも助かるぜ」 囚人の誰もがドラえもんに感謝の言葉をかけていた。 それともう一つ、ドラえもんがここに来た本当の目的 ――それはデンジにここに連れてこられた静香に会うためだった。 静香が閉じ込められている檻はさらに奥深くにあった。 屈強な男たちが閉じ込められている牢獄の最後に地下に降りる螺旋状の階段があり、 そこを降りた先に小さな鉄格子が付いた檻が見えた。 静香はドラえもんに目を向けると明らかに敵意むき出しで 「ドラちゃん! いったいどういうことよ! この世界を元に戻して!」 と喚いた。静香の精神状態は極限にまで達していることが窺えた。 ドラえもんは静香を哀れむような目で見つめる。 静香は涙もとっくに乾き切った様子で、身も心もボロボロだった。 「静香ちゃん、ごめん。のび太がレッドに誰にも頼らず一人で勝つまで元の世界には戻せない。 この計画はずっと前から出木杉君と考えていたんだ。 この方法しか駄目だと分かった時から、僕と出木杉君はのび太君に対して厳しく接すると決めた。 例え鬼といわれようとも……僕と出木杉君は目的を達成する」 ドラえもんの目は涙で溢れかえっていた。 「ドラちゃん……」 静香はそれ以上言わなかった。 「本当にごめん……」 それだけ言うとドラえもんは後ろを向き、またどこでもドアを取り出してその場から消えた。 レッドはドラえもんと話を終えた後、自らを補佐する最高幹部達五人を広間に集めた。 最高幹部五人が一度に集結するのは久々のことである。 集まったのは、レッドの代わりに全指揮権を任せている総司令官のクロツグを筆頭に 出木杉、シロナ、リラ、そしてレッド王国警備隊長のワタル。 出木杉意外、いずれも元の世界で名を馳せたそうそうたる顔ぶれだ。 皆、レッドの座っている玉座より一段低い床に深く平伏している。 しかし、出木杉だけは立ったままで冷徹な眼差しをレッドに向けていた。 「出木杉、控えよ! レッド様に無礼だぞ!」 一番に総司令官のクロツグが怒りをあらわにして注意した。 「クロツグ、別に良いではないか。出木杉は厳密にいえば余の配下ではない、 余の協力者が使わした客人なのだ」 レッドはドラえもんと話している時の口調とは違い、威厳たっぷりに言った。 幹部達と接するときは一人称を『俺』から『余』に変え、威厳を示すのだ。 「ははーっ」 クロツグは面白くないといった態度を示しながらも従った。 「皆、立ちあがって良い。いつまでも平伏しているのは窮屈であろう」 レッドが立ち上がるように促すと、幹部全員が立ち上がった。 「余がお前達を呼んだのは他でもない、 余に反目し半年も小競り合いをしてきた『ジャイアン一派』についてだ」 ジャイアン一派とはレッドの独裁体制に不平不満を持つ者達を集めた組織―― いわば反乱分子の寄せ集めといっていい。 規模は三十人程度に過ぎないが、トレーナーランキング5位のリーダー、ジャイアンに 『達人』と呼ばれる9位の骨川スネ吉、それにスネ吉の従兄で11位の骨川スネ夫は侮れない。 その上位三名を除いてもランキング二桁台の強者が多い。1位のレッドには恐れるに足らないが、 幹部達は大いに苦しめられてきた。ランキングが僅差だと戦い方次第では負けてしまうこともあるのだ。 「良く聞くがよい、もうジャイアンとの遊びは終わりにしたい。 新しい遊びを思い付いたのでな。クロツグに命ずる、ジャイアンとそれに与する者は 余に対する反逆とみなし、徹底的に捕らえるのだ」 レッドはクロツグにジャイアン一派との遊びの終わりを告げた。 今までの小競り合いとは違い、徹底的にジャイアン一派を潰す決断を下した。 新しい遊びとはもちろん、のび太のことである。 「ははーっ、ジャイアン一派は必ずや総力を挙げて壊滅して見せます」 クロツグはさっきまでの不機嫌な表情とは打って変わり、満面の笑みを見せて答えた。 それに続いて、他の幹部達も大喜びといった様子だ。 特にクロツグはジャイアン一派のことを面白く思っていなかったのをレッドは知っている。 「お待ちください!」 突然、クロツグの後ろに控えていたワタルが前に進み出た。 「レッド様、ジャイアン一派に制裁を加えるのはこの王国警備隊の精鋭で十分でございます。 ぜひ、私めにお任せください」 「何? 王国警備隊などお前を入れても僅か五人ではないか! そんな少数で何ができる」 すぐにクロツグが反論した。シロナ、リラ、出木杉は沈黙を保っている。 「クロツグ様、少数精鋭と言った言葉をご存じか? 王国警備隊は我々の世界で名の知れたジムリーダー、チャンピオンで構成されています。 この世界の軟弱なトレーナーなど五人で十分でしょう。レッド様、ぜひ私めに」 ワタルの意志の強さについにクロツグは閉口した。 「………良かろう。この件はワタルに全て一任するとしよう」 レッドはしばしの沈黙の後、了解した。 「ありがとうございます。必ずやジャイアン一派を壊滅して見せます」 議論に収拾がつくと幹部達は広間から出て行った。 レッドはワタル一人には手に負えないのではないかと思ったが、 王国警備隊が壊滅したら、また別の者達で結成させればいいと考えた。 非情だが、レッドにとって部下達は使い捨てに過ぎないのだ。 (俺さえ、この王国に君臨出来ていれば他はどうでもいい) レッドはモニターに映された自分に対する現時点ではとても小さな脅威――のび太を見ながら思った。 この小さな脅威もいずれは大きな脅威となるに違いない。 それを恐れつつも、レッドはなぜか楽しみでもあった。自分を脅かすトレーナーの存在を 心のどこかで待ち望んでいたのだ。 (でも最後に勝つのは俺だ。 最強のトレーナーの称号とトレーナーが君臨する世界の支配は俺のものだ。誰にも渡さん) こうしてレッドの支配する王国の夜はふけていった。 次へ
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のび太 Summon 3(光) / 700f 人間の召喚 Atk=0 HP=1 後手,伝説 のび太が戦闘に参加した場合、あなたはバトルスペルを使用できない。 -- http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/27456/1135510382/81 参照 映画シリーズ コメント欄 名前 コメント
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のび太のDead Space 制作者:nobina氏 翻訳者:62氏 制作ツール:RPGツクール2003 概要 2003での改造版。 BIO HAZARDシリーズではなく、DEAD SPACEというゲームをモチーフとしている。 しかしDEAD SPACEはバイオハザード4を強く意識して製作された作品であり、この作品もまたバイオハザードの流れを汲む作品である。 本家からの変更点 シナリオ・マップ・敵・システム全て。 シナリオは本家DEAD SPACE2をよく再現しており、再現度は高い。 特技の使用や回復アイテムの使用などを、メニューを開かずに行うことができる。 無理のないバイオをベースにしているだけあり、即死トラップや体力が強制で1になるイベントがあるなど初見殺しの要素が多い。
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導かれし運命 カーテンも閉め切った薄暗い部屋の中で、小太りの青年が黙々と携帯ゲーム機で遊んでいた。 部屋の中は薄暗く唯一の光は携帯ゲーム機の明かりのみだった。 ゲームソフトやゲーム機がいくつも散乱している。 「ポケモンは楽しいな。はははっ!」 野比のび太は笑いながら独り言をぶつぶつ呟いた。のび太は25歳だが、 仕事もせず、家に引きこもって遊び呆けていた。いわゆるニートである。 のび太をまともにするためにやってきた猫型ロボットのドラえもんはとうに彼を見放し、 未来の世界に帰ってしまった。しかし、のび太はそれをまったく気にしていなかった。 (自分が悪いんじゃない……全てドラえもんが悪いのだ) のび太はゲームをしている間に突如としてドラえもんが帰った日のことを思い出した。 全てドラえもんに非があるのだ。自分は何一つ悪くない。 再び集中してゲームをしようとしたが、いまいち集中できない。 (ドラえもんのことを思い出したせいだ) のび太は勝手にそう思うことにした。そう思わなければならないような気がした。 すっかり集中力が途切れたのび太は一時ゲームを中断することにした。 のび太が今、熱中しているゲームは全世界で大ヒットしている『ポケットモンスター』だ。 このゲームはポケモンと呼ばれるモンスターを捕まえて育てたり、闘わせることができるゲームだ。 のび太は何年も前からこのゲームの虜となっていた。 のび太が住んでいる街でも幅広い年齢層に支持され続けている。 小さい頃からの友達であるジャイアンやスネ夫、それに静香や出木杉もやっている。 のび太は彼らに長らく会っていない。 聞いた話によるとジャイアンは店を継いでスーパーにまで発展させ、 スネ夫は親の会社を継いで社長となり、静香は大学を出て中小企業に勤めていると聞いた。 出木杉の噂は聞かない。彼等は既に自分とはかけ離れた遠い存在になっていた。 そんな彼らを恨めしく思いつつも再びゲームをしようとしたが、やはり気が乗らなかった。 その時だった。のび太の頭の中に稲妻のような衝撃が走った。 不機嫌なのび太の顔がみるみる内に笑顔になる。 途端にのび太は部屋のカーテンを開け、電気を付けて押し入れの戸を強引に開けた。 押し入れの中は古ぼけていて埃だらけだった。 かつてドラえもんが自分の部屋と称していた押し入れだ。 「何かあるはずだ。ドラえもんが残していった物が」 一心不乱にのび太は押し入れの中を探った。 しばらくして押し入れの隅にドラえもんがいつも身に付けていたポケットが見つかった。 それはのび太を狂喜させるに値するのには十分だった。 「やったぞ! まさか『スペアポケット』を残していくなんて!」 スペアポケットはドラえもんの『四次元ポケット』に繋がっているのでドラえもんの道具を出し放題だ。 のび太はスペアポケットを右手で掴んで歓喜した。 自分の不幸な人生を変えることが出来るかも知れない。 そう思うとのび太の心が弾んだ。早速のび太はポケットに手を突っ込んだ。 中を探っていく……そして大型の電話ボックスのような物が出てきた。 「何だ? これは『もしもボックス』に似ているが、どこか違う」 電話ボックスのような大型の道具を見つめて言った。 もしもボックスはどんな世界も作り出せる素晴らしい道具だ。 しかし、出てきたのはもしもボックスとは微妙に違う…… もしもボックスの新型のような物なのかもしれない。 のび太はそう思うことにした。新型なら、それはそれでラッキーだ。 (これさえあれば僕の望む世界を作れる) のび太は思った。その新しいもしもボックスのドアを開けて、中に入ると その内装のハイテクさにビックリした。 のび太が知っているもしもボックスとはまるで違う。 「間違いない、これは新型もしもボックスだ」 高まる高揚感を胸にのび太は期待に目を輝かせた。 すると突然どこからか音声が聞こえてきた。 「スーパーもしもボックスへようこそ! この新しいもしもボックスは従来のもしもボックスより、 大幅に機能が充実した、もしもボックスの集大成です。そのため、どんな世界も演出できます。 どのような世界にしましょうか?」 その音声はどことなく懐かしさを感じさせるものだったが、のび太はそんなことをあまり気にせず、 話すことが出来るハイテクなもしもボックスに心を奪われていた。 のび太はどんな世界にするか既に頭の中にあった。 「この世界をポケモンの世界にしてくれ! ポケモンのゲームに登場する強いトレーナーも登場してほしい。 さらに付け加えると、この世界のジャイアン、スネ夫、静香、出木杉、ドラえもんも 僕と一緒に連れていって欲しい!」 のび太は興奮を抑えきれずにリクエストした。 なぜ、のび太がこの世界のジャイアン達を自分と一緒に連れて行きたいかというと、 彼等を見返して、自分がいかに凄いかということを見せつけたいからだ。 「かしこまりました」 新型もしもボックスが丁寧に言うと急に目の前が真っ暗になった。何も見えない。 恐怖が募っていくのが分かったが、自分が望んだ世界に行けるのならと思うとそれを抑えられた。 (この暗闇が終われば、僕はポケモン世界の頂点だ) のび太はポケモンを極めつくしていた。 働いていないため誰よりもポケモンに時間を費やせるからだ。 しかも、対戦では一度も負けたことがない。 これから行く世界が自分にとってどれほど有利か、のび太は知っていた。 外界から閉ざされ、真っ暗で光さえ届かぬシロガネ山の最深部に一か所だけ明かりが照らしている。 そこにいるのは赤い帽子がトレードマークの青年レッド。 カントー地方では知らぬ者はいない伝説のトレーナーだ。 身長180㎝はあろうかという長身の痩せ形で25歳という若さで 最強の名を欲しいままにし、100年に一人の逸材だと言われている しかし、レッドは数年前にカントーポケモンリーグチャンピオンを突然辞めて、 ひたすらこのシロガネ山で修業をしていた。 自らを限界まで極めるために……。 長年チャンピオンをしてついに一度も負けることがなかった。 レッドがチャンピオンを引退する決意をしたのは他の地方のチャンピオンとの対戦だった。 ホウエン、シンオウの二人のチャンピオンと勝負したが、圧勝だった。 弱すぎてとてもレッドの相手にはならなかった。 ホウエン、シンオウのチャンピオンを名乗る二人のトレーナーとの勝負で、 レッドは自分と互角に闘えるトレーナーが永久に現れないことを悟った。 「どいつもこいつも雑魚すぎて話しにならねえ…… ダイゴもシロナも俺の足元にも及ばなかったな。 あれでチャンピオンとは笑わせてくれる……」 傍らでレッドのためにフラッシュで明かりを付けているポケモンのピカチュウを見つめながら、 過去を思い出すようにレッドは言った。 未来永劫自分に敵う相手のいないことが内心つまらないなと思いつつも 心の底では嬉しくもあった。それは例え様もない優越感だ。 「……俺は最強だ。俺に敵う奴はいない。もしもこの世界がポケモンの強いやつが偉い世界だったら良かったのにな」 レッドは家から持ってきたラジオを聞きながら愚痴をこぼした。 すると、摩訶不思議なニュースが耳に飛び込んできた。 「速報です。名のあるトレーナーが突然失踪するという事件が起きました。 この現象は世界各地に及んでいます」 レッドは驚いてラジオから流れ出る不可解な現象に聞き耳を立てた。 (名のあるトレーナーが突然いなくなる?) それは理解しがたかった。なぜ名のあるトレーナーが同時に消えてしまうのか疑問だ。 その時だった、ピカチュウのフラッシュの明かりが突然消えた。 途端――視界が真っ暗になり、レッドは意識を失った。 次へ
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のび太は途方に暮れていた。 何故その様になったのかは、一ヶ月前に遡る。 あの頃のび太の町内ではポケットモンスター金銀が流行っていた。 子供達はポケモンに熱中し、それを育て、最終的にはポケモンの強さが一種のステータスになるようにもなった。 ある日一人の大柄な体格のガキ大将がある一言を呟き全ては始まる 「俺たちポケモンの世界に入れたらいいのにな」 少年達はそれに共感し賛同した。普通なら考えられない事だが、幸いこの町内には何でも叶えてくれる猫型ロボットがいる。 そして猫型ロボットのチカラにより町内中の子供達の願いは叶えられた。 それによって町内の子供達の大半がポケモンの世界に入る事になった。 もちろんその中には例外なくのび太少年も参加していた。 最初のポケモンはケーシイ。 悪くないポケモンだったが最初に貰うポケモンとしては悪かった。「テレポート」ばっかりで、逃げる事により先には進むが経験値が入らない 無論ジムバッジなど一つも持っている筈がなかった。 しかし進む速さは驚異的で、今、彼は一番乗りでタンバシティにいた。 のび太「あ~あドラえもん酷いよ。八つのジムバッジ集めないと現実に戻れない(設定上のルール)なんて~ ドラえも~ん(泣)」 今、ポッポもいるが、うまく弱点を突いたとしてもシジマに勝てる筈がない。ハヤトにだって怪しい。 のび太はまた泣き出した すると、 「パサッ」 そこに一冊のノートが落ちてきた。 突如空から降ってきたノート。 いくらのび太がマヌケでもそれに気付かない筈がない。 のび太「なんだ?これ?」 のび太はその黒いノートを開き、パラパラとめくった。すると目次欄には優しい日本語であることが書いていた のび太「なになに……? このノートに名前を書かれた人はしにます。でもしなせる為には、その人のゲーム中の名前(ほんとうの名前を書くひつようはありません)と、顔と手持ちのポケモンをしっていなければいけません。 名前を書かれた人は40秒あとに心ぞうのびょうきでしにます……どっかできいたことあるなぁ…… またスネ夫辺りのイタズラかな?」 そう思ったのび太だったがやはり好奇心が生まれてき、ノートを試したくなった。 のび太は適当に目の前を泳いでいるさっき負けてこづかいを取られた海パン野郎の名前を書くことにした。 のび太「ええと、タツヤ ポケモン・タッツー、シェルダー。 これでいいのかな?」 しかし海パン野郎は何事もなく泳いでいた。 のび太「なあんだ。やっぱりイタズラじゃないか。」 のび太がそう呟いた瞬間だった。 「ウウッ!!」 突如海パン野郎が胸を押さえて苦しみだし、そのまま海に沈んでいった。 のび太は状況を呑み込めず一目散に逃げ出した。 小脇にノートを抱えながら 数日後のび太はポケモンセンターに居た。 のび太「ふうっ。」 のび太は一息つき、ベッドに寝転んだ。手にはノートがある。そのノートには、人とポケモンの名前がびっしりと書いてあった。 初めはのび太はこのノートに恐れを抱いていた。二度と使うまいと思った。 しかし、何度もトレーナーに絡まれ、財産を巻き上げられていくうちに、必要に迫られ、また何度か使ってしまった。 最初は「なんてことを……」と、自己嫌悪を抱いたが、所詮はゲーム中のキャラ、僕はバイオとかでそれ以上のことをしてたじゃないかと、自己の中で正当化された。 そして人の名前を書き続け、ノートはのび太に無くてはならない存在になった。 のび太にはもしかしたら現実に帰れるかもしれないと希望の表情が見え始めた。 しかし、ポケモンセンターに忍び寄る影があることをのび太は知らなかった。 のび太がこれから先の妄想にふけっているとき、後ろで 「派手に殺ってるようだな」と声がした のび太「誰だ!?」 後ろを向いたが誰も居ない。のび太が気のせいか、と思い忘れようとしたとき、目の前に大きな影が広がった。 のび太「うわあぁぁぁぁ」のび太は大きな声で叫んだつもりだったが声が出なかった。 影は変形を始め、あるポケモンの形になった のび太「ゲンガー……?」 ゲンガー「ほう、俺を見たらビビって心臓止まると思ってたが成長したようだな」 のび太「最初から……?」 不可解な目の前のポケモンの言葉にのび太は無意識に呟いた ゲンガー「ああ、お前がこの世界に来たときから見ていたさぁ。 ヘタレでドジでマヌケで、名前はのび太くんだっけか?ノートのお陰で精神的に成長したか?いや、心がすさんだと言った方がいいかな」 ゲンガーは馴れ馴れしく言った。 のび太「と、いうことはこのノートは君の……取り戻しにきたのかい?」のび太は恐る恐る訊いた。 ゲンガー「とぉーんでもない!そいつはバカでノロマでオッチョコチョイのお前へのプレゼントさ。 そいつは遣るよ」 のび太「僕へのプレゼント……」 プレゼントとは言われたものの、のび太は気になった事を聞いてみた。 のび太「ノートの代償は……代償はないの?使ったら寿命が縮むとか……?」 ゲンガー「ぎゃはははは!ゲームで寿命が縮むわけねぇだろwww まあ、代償というか条件だな。それと俺の頼みをひとつ聞いてくれないか?」 のび太「た、頼み?」のび太はゾッとしたが、ゲンガーの頼みは安いものだった。 ゲンガー「俺を手持ちに入れてくれ。」 のび太「な、何で…」 ゲンガー「言ったろ。俺はお人好しなんだ。お前の事が気掛かりなんだ。」 のび太「条件はなんなの……?」 ゲンガー「お前の力量を見せてくれ。うーん。ま、手始めにタンバの格闘親父でも倒してくれや。見事倒せば手持ちとして加えさせて貰う。」 のび太「そんなこと……」 ゲンガー「安心しろ。お前にはノートが有るだろ。うまくやってくれよキシシシ」 のび太はどうしたものかと考えたがケーシイとポッポだけのパーティーにゲンガーが入ってくれれば心強い。 のび太は何とかしてみようという気持ちになってきた。 そして のび太「わかった。やろう」 ゲンガーはしめしめといったかおつきでニヤけていた。 夜遅くシジマのジムに丸眼鏡の冴えない少年が来た。 少年は最初「このジムであなたが使うポケモンは何匹ですか?」 と聞いてきた。 わりと普通の質問だったし、ジムリーダーが使うポケモンの数はジム毎で決まっていたので 「2体だ」 と、正直に答えた。 その後ジム戦が始まり、少年はポッポを繰り出してきた。自分はオコリザルを出し、彼のポッポを二秒で瀕死にさせた。明らかにレベルの差は歴然だった。直後彼は投了し、ジムを去った。 しかしその後の少年の行動が奇妙だった。 彼を叩きのめしたあとまた、すぐにジムに挑戦してきたのだ。 当然また、ポッポを瞬殺し、彼はまた、投了を告げた。 彼はまた幾度も幾度も来た。 強さも全く変わったとは思えなかった。 再戦を申し込むトレーナーは数多くいたがこの様な、トレーナーは始めてだ。 今度負けたら一緒に24時間特訓に付き合わせ懲らしめようと思ったとき、彼がまたやってきた。 いつもの様にオコリザルでポッポを叩き潰そうとしたとき、物凄い風が吹いてきた。ポッポの「ふきとばし」らしい 自分のポケモンは強制的に替えられ、ニョロボンがでた。 すると少年はニヤリと不気味に笑い、ノートに何かを書き始めた。 「何してるんだ?」 と私は訊いた。 すると丸眼鏡の少年は何かを書き終わったあと 「残念ですね。 僕の勝ちだ。」 と言った すると私は急に胸に圧迫感を覚え、苦しくなり、その場に倒れた。体も動かない。真夜中だから弟子も誰も居ないだろう 薄れゆく意識の中で、「なかなか、ポッポにせんせいのツメを持たせて、先手を取るのは苦労したよ。あっ、これがバッジだな。やったーゲットー。」と少年が言っていたが、私はよく聞き取れずそのまま意識を失い、二度と覚める事はなかった。 後日、のび太とゲンガーは人の目に付かない岩場で話していた のび太「シジマ、無理な特訓中に突然死だってね。ノートによる殺人だとバレないでよかったよ。」のび太は安心した様子で言った。 のび太「それに頼もしい仲間も手に入ったしね。」と言い、チラリとゲンガーを見た。 のび太はゲンガーのお陰で連戦連勝、ケーシイやポッポを出し戻しする事でそいつらのレベルも上がった。 今、のび太は全て順調なのである。 ゲンガー「のび太、ちょっといいか?」 のび太「なに?」 ゲンガー「俺とノートのことだがな、実はゲーム中に起こったバグだ。」そのくらいのび太でも薄々感付いていた。ゲーム中に登場人物が死ぬなんて普通有り得ない。 のび太「まあ、なんとなくわかってたけどね。」 ゲンガー「話は最後まで聞け。俺はバグポケモン。だから、普通のポケモンとは少し違う。何が違うかというと、俺は通常の戦闘では全く経験値は得られない。」 のび太「じゃあどうやって君を育てるのさ?」 ゲンガー「ノートさ。ノートに名前を書き込むんだよ。すると書かれた奴の持っているポケモンの経験値が全て俺に入る。即ち……」 のび太「ノートに名前を書けば書くほど強くなる……」 ゲンガー「そういうことだキシシシ」 のび太がゲンガーの言葉に息を詰まらせているとき、のび太のポケギアが鳴った。ドラえもんからだった ドラえもん「のび太君、皆と話たい事があるんだ。タンバのポケモンセンターに来てくれる?」 のび太「良かった。ちょうど近いんだ。いますぐいくよ。」 ちょっとそこで会話に間があった。のび太がもうタンバまで行っていることに驚いているらしい。 ドラえもん「なるべく早くね!!!」そこで電話が着れた。 のび太「何かなあ?話って。」 のび太は首を傾げた。 ゲンガー「さあな。」 のび太「とにかく行ってみよう。」 のび太はポケモンセンターに向かった。 自分がどれだけ浅はかな事をしたのか気付かずに…… 20分後、のび太はタンバのポケモンセンターにやってきた。 そこにはやす夫、はる夫、出木杉を除く全員が来ていた。 ドラえもん「あっ、のび太君やっときたみたいだね。君が最後かな?」 スネ夫「のび太が此処までこれるなんて以外だね」と、スネ夫が皮肉を言ったがのび太は無視した。 のび太「やす夫君とはる夫君と出木杉は?」のび太は訊いた。 ドラえもん「彼らは先にチョウジの方に行ったからね」 のび太「なるほど」 ジャイアン「っていうかさー、なんで俺たちをこんなとこに呼び出したんだよ!」とジャイアンはかなりイライラした口調で言った ドラえもん「それなんだけどね……」 ドラえもんは暗い様子で言った ドラえもん「問題は二つあるんだ。一つ目は、ここ、タンバのジムリーダー、シジマが死んだんだ。」 のび太はドキリとしたが顔に表情は表れなかった。 のび太「それがどうかしたのかい?」 ドラえもん「そこが問題なんだ。何故かというとシジマが死んでしまってるから、ジム戦ができない。皆ここに来たばっかりだから当然誰もジム戦はしていない。だからもう誰もバッジを八個集めるというクリア条件を満たす事が出来なくなったんだ。」 スネ夫「と、いうことは………」 しずか「もう現実世界に戻れない……!」 しずかの一言にそこにいた全員が口をつぐんだ。しかし ドラえもん「そんな訳じゃない。シジマは心臓麻痺で死んでたけど、誰かと戦った跡がある。それに遺体からはバッジが抜きとられていた。 要するに誰かがバトルじゃ勝てないから何らかの方法でシジマを殺して、バッジを奪った。そのバッジを持っている誰かがいる可能性があるってこと。そんな登場人物が勝手に死ぬなんて設定は無いしね」 スネ夫「ということは現実世界には帰れるんだね?」 ドラえもん「バッジが見つかればね。もし、このなかでショックバッジを持っている人がいたら言ってほしい。即座に電源を切りゲームを中止するよ。一人でも外へ出て電源を切れば皆無傷で現実世界に帰れるから。」 大変な事になった。そうのび太は思い、正直にショックバッジを渡そうとした。 何かを喋ろうと口を開こうとした瞬間、 のび太「?」 のび太の口と手は麻痺したかのように動かなくなった。 のび太はさらに力を入れてみた。全く動かない。まるで「かなしばり」にあったように。 するとのび太の後ろにいたゲンガーが(ゲンガーの条件にモンスターボールに入れないというのがあった)話しかけてきた ゲンガー「話は最後まで聞こうぜ。まだ、第二の話が残ってるだろ。キシシシ ちなみに俺との会話、及び意思疎通はノートに触れた事がない限り出来ないから安心しろ」 ドラえもん「いないようだね。それじゃ仕方ない。第二の話に入るよ。」 しずか「第二の話?」 ドラえもん「この話はもっと落ち着いて聞いてほしい。先月の話なんだけどね。タイム・パトロールが四次元空間で重罪人を追っていたんだ。その途中男はタイムマシンから飛び降り次元の狭間に飛込んだんだ。 そしてその男が飛込んだ時代が……」 スネ夫「現在……だね?」 ドラえもん「そう。この時代だと異次元空間を作ってるのは僕らくらい。そいつが紛れ込んでいる可能性は十分にある。 この世界では死んでしまったり怪我してしまっても機械を壊すスイッチを切るなどすれば問題なかったがもし犯人が脱出条件を知って、脱出出来たやつがそいつ一人になると話は別。 奴は僕らの口を塞ぐため、スイッチを入れたままにするだろうから、僕らは二度と元の世界に帰れなくなる!」 のび太は話を聞き話はよく分からなかったが自分の言動を阻止しているゲンガーは何かドラえもんが言った事に関連してるかも知れないと感じた。 のび太「ドラえも~ん(泣)助けて~」 しかしそれは声にはならなかった。 ドラえもん「シジマを殺したのがこの中の誰でもないとすると僕の考えでは間違いなく時間犯罪者だと思う。」これをのび太が聞いた瞬間、ゲンガーが言った ゲンガー「のび太よ。いいことを教えてやろうか」 のび太「?」 ゲンガー「俺がその時間犯罪者だ。何故そんな体になったかは分からんがな。」 のび太「?」のび太の体に恐怖が走った。 ゲンガー「この体になったのは便利だったよ。さいみんじゅつとかあるしなー。キシシシ」 のび太「あっあっあ」 ゲンガー「ビビるな。俺もお前を殺しはしない。ちょっと体を借りるだけだ」 のび太「からっからっからっ」 ゲンガーの目が光った。それからのび太の意識はブッ飛んだ。 ドラえもん「だから、時間犯罪者がバッジを全部集める前にそれを阻止しなきゃならない」 ジャイアン「全面戦争か……燃えるな」 スネ夫「僕もう帰りたいよ……ママ」 しずか「これからどうしましょう」 すると、さっきまで黙りこくっていたのび太が口を開いた。 のび太「とにかく時間犯罪者と戦うためには、今の戦力を確認しておいた方がいいよ。」 ドラえもん「なるほど。じゃあみんなポケモンを出そうか」 のび太「僕が紙にメモしてあげるよ」 のび太はノートを破りペンを出した。 他の皆はもっていたポケモンを繰り出した 「キシシシ。こいつら馬鹿だ」 のび太、もといゲンガーに操られたのび太(次からのび太と表記します)はそう思った。 のび太「ええとしずかちゃんはベイリーフ、マンタイン……… ジャイアンはオーダイル、ストライク、ゴーリキー、………… スネオはマグマラシ、スリーパー、オオタチ…… ドラエモン、ヌオー、モココ、エイパム……これでいいかな?」 のび太はノートにポケモン、名前を全て書き込んだ。 ばかめ。青狸。これでテメーらは一瞬で全滅だ。 あとはデキスギとかいうやつがバッジを集めたら、待ち伏せて殺して奪ってやる。 そして脱出。まだタイム・パトロールなど出来てない時代だ。奴らも大っぴらに動けんだろう……。 それよりドラエモン……もう少し楽しませてもらいたかったぜ。キシシシ…… のび太が名前書いてから36…… 37…… 38…… 39…… 40 「バタッ」 人の倒れる音がした。 倒れたのはしずかだった。 「うぐぐぐぐぐ」 倒れたしずかは胸を押さえて苦しがっている。 ドラえもん「しずかちゃん!!!!」 ドラえもんは即座に「お医者さんカバン」を出したが、もう手遅れだった。 キシシシ。次はテメーらだ。のび太は心の中でそう笑った。 38……… 39……… 40……… ………………!? おかしい。誰も死なないのだ。何故この様になったのかのび太は思考をフル回転させた のび太『まさか……偽名……!!』 有り得ない事ではなかった。 何故ならこれはゲームの世界だ。主人公の名をマンガの名前や自分の名前のアナグラムなどをしてても不思議ではない。 特に「ジャイアン」など本名であろう筈がない。大方残り二人は名字や名前の略でも使ってるのであろう のび太『しまった……』のび太はそう思った。 とにかく他の奴が死ななかった今、早く次の手をうたねばならない。 そのためには今、完全に「のび太」として振る舞わなければならなかった のび太「しずかちゃん!!なんでしずかちゃんが!しずかちゃ~~ん!!!!!」我ながら完璧な演技であった。 ドラえもん「のび太君!!多分時間犯罪者の攻撃だ!早く逃げるぞ」 のび太「うっうっうっうっ」 ジャイアン「なにやってんだ!のび太!!早く逃げるぞ!」そう言いジャイアンはのび太をおぶりポケモンセンター内部に逃げ出した。 ここでもスネ夫は失禁し、この後ほっとかれ干からびかけた、しずかのマンタインがそれのお陰で九死に一生を得るのだが、主人が死んだ今、それはもうどうでもいいことであった。 ドラえもん達はしずかの死亡現場から離れ、タンバのポケモンセンターの一室にいた。 ジャイアン「チクショウ! なんでしずかちゃんを……」 のび太「うっうっうっうっ」 ドラえもん「皆!落ち着いて……。」と、ドラえもんが場をなだめようとした。しかし、目の前で人がしかも身近な人が死んだショックでスネ夫はもはや発狂寸前だった。 スネ夫「いっいやだみんなしぬいやだああっあっあっ そうだこれは夢だ。夢の中の自分だ。こいつをころしてげんじつのぼくをとりもどそう。」 不意にスネ夫は果物ナイフをとり、自分の手首をかききろうとした。 その瞬間だった。ジャイアンの鉄拳がスネ夫の顔面に炸裂した。 ジャイアン「なにやってんだ!スネ夫!! ドラえもんの話を聞いてなかったのか!? 今、ここで俺達が死んだら、しずかちゃんも死んだままだぞ!!」 殴られた後、スネ夫は我に帰り、はっ、とした様子でジャイアンを見た。 そして スネ夫「ごめん……」と、一言だけ言った。 ジャイアン「のび太もいつまでもめそめそしてんな!!」ジャイアンが激を飛ばした のび太「うん……」 のび太は力なく返事した。 その言葉には別の邪悪な感情が宿っていたようだが。 ドラえもん「皆落ち着いたようだね。 今からこれからの事を言っていくから。」 全員がうなづいた。 ドラえもん「まず、しずかちゃん死因だけど、お医者さんカバンで調べた結果、原因不明の心臓麻痺だった。 周りから攻撃の気配は全くなかったし、ポケモンの技で考えられるのはゴーストの「のろい」が有るけど、それは、体力を削るだけで、あんな急速に生命に危険を犯す程ものではないはず。 石ころ帽子で近付いていって攻撃したり、毒を注射したなら、お医者さんカバンで死因が出るしね。 この事からしずかちゃんやシジマを殺した犯人は、ある能力を得ている可能性がある。」 スネ夫「それはいったい……?」スネ夫が訊いた。 ドラえもん「わからない……ただその、それは、ある条件下の人間を殺すことの出来る力だと思う。」 ジャイアン「なんでそんなことが分かるんだ?」 ジャイアンは首を傾げた ドラえもん「あの時僕らはスキだらけで全滅させようとしたらいつでも出来たと思う。 だが何故奴はそれをしなかったか? 僕らは生きてても奴にとってなんのメリットもない。だから、奴は当然僕らを皆殺しにしようとする。しかし奴の計画に反してしずかちゃんしか死ななかった。 何故なら僕らの中でその殺しの条件をを満たす人物がしずかちゃんしかいなかったから。」 スネ夫「むちゃくちゃだ!!! それに、僕らが生きてるのだって、ジムバッジを集めさせるためかも知れないじゃないか!」 ジャイアン「話しは最後まで聞け」 ドラえもん「いや、可能性の一つとしてだよ。いや、そうでなければ説明出来ない。 もし、僕らにジムバッジを集めさせてから一網打尽にするなら、あそこでしずかちゃんを殺す必要が無い。 人数が少なくなって、僕らがバッジを集められる可能性が減るし、殺しの能力を見せてしまうと何かと有利な事も減るからね。」 スネ夫「なるほど……」スネ夫は納得した。 ジャイアン「俺はよく分からなかった……」 ジャイアンは混乱している。 ドラえもん「要するに、時間犯罪者は、僕達を殺さないんじゃなくて、殺せないんだということ! それなら僕らにもまだ、勝ち目がある!!!」 ドラえもんの目が光った。 ジャイアン「やろう!! 俺達で時間犯罪者をギッタン、ギッタンにしてやろうぜ!!!」 スネ夫「うん!!!」 ドラえもん「皆!頑張ろう!!のび太君は?」 のび太「え、あ、うん。」『クッッッ!』 全員は手を合わせた ジャイアン「しずかちゃんの仇をとろうぜ!!」 オー、と、皆声を合わせた。 スネ夫「ところでなんでドラえもんは今日はそんなに冴えてるんだい?」 ドラえもん「えっ?」 ドラえもんの手にはグレートアップ液が握られていた。 ドラえもん「とにかく、出木杉君たちに報告しなきゃ」 と言い、ドラえもんはポケギアを取り出し、出木杉に電話をかけた。 ドラえもん「もしもし………」 出木杉「ああ、ドラえもん君かい? 話ってなんだい?やす夫君もはる夫君も気になってるよ」 ジャイアン「皆一緒か。丁度いい。」ドラえもんは、今までの出来事を全て出木杉に話した。 出木杉・やす夫・はる夫「嘘だろ……しずかちゃんが……」 三人は信じられないといった様子で絶句した。 出木杉「でも僕らが先にジムバッジを集めたらしずかちゃんは生き返るんだね」 ドラえもん「厳密には違うけど、まあそういうことだね。」 出木杉「でも、いいの? 今までの話を総合すると、まだタンバに時間犯罪者がいる可能性が高いよ。」 ドラえもん「いても何も出来ないさ。だってもう特殊能力では僕らを殺せないし、四対一じゃ分が悪いだろうからね。」 と、ドラえもんは言った後、また一息おいてこう言った ドラえもん「出木杉君。僕らはこれからどうすればいいと思うかい?」 出木杉はしばらく考えた後、口を開いた。 出木杉「とりあえず今は、犯人を探す事が一番だと思う。」 ドラえもん「君もそう思うかい。」 しかしそこでスネ夫が口を挟んだ スネ夫「でもさ、もし、これから奴が僕らに尻尾を掴ませないために僕らを無視してバッジを集め始めたらどうするのさ!! なんの手掛りも得られぬまま、奴だけ現実に帰っちゃうよ!」すると出木杉も考え込むように言った。 出木杉「う~ん。実は僕もそう考えてたんだけど……。」 スネ夫「だろ!僕にいい考えがあるんだ! 今から君達がチョウジのジム前で待ち伏せしておく。 時間犯罪者はいつかはバッジを集めなきゃならないから、チョウジのジムにくる。 そいつを捕まえればいい!!」 と、スネ夫は熱く提案した。 出木杉「それは無理だ……… だってもうチョウジのバッジは手に入れてしまったからね。 それにただ待ち伏せるだけじゃ、何も状況は変わらないと思うんだ。向こうからしたら動かなければ良いだけの話だからね。」 スネ夫「じゃあどうするつもりなんだ!!!」 出木杉「僕に一つ考えがあるんだ。 奴はシジマを殺すことで、結果的にバッジを独占し、有利な位置にたっている。 ならば、僕らをバッジを独占すればいいんだ!」 その出木杉の一言に皆が驚かされた。 ジャイアン「まさかお前もジムリーダーを殺すのか………」 ジャイアンがおそるおそる訊いた 出木杉「いや。そんな事をするはずないじゃないか。」 出木杉は即座に否定した。そしてまた喋り始めた 出木杉「今までので思ったけどさ。 この世界では一つしか得られないものと皆に配られる物とがあるよね。 今までの冒険で気付いたけど後者のものはジムバッジ、秘伝マシンしか無いことに気付いたんだ。 その他のアイテムは人が何人いようと一個だった。ゼニガメじょうろがいい例だね。」 ジャイアン「だからそれがどうしたんだよ!」 出木杉「落ち着いて考えて見てくれ。イブキからバッジを貰うためには何が必要だったかな?」 スネ夫「あっ!」 出木杉「そう!それは「りゅうのきば」。 以前金銀をプレイした人なら分かるよね。」 可能性は高かった。 今まで、ストーリー進行に必要な物であろうとなかろうと、ジムバッジ、秘伝マシン以外は一個だけであった。 ずぼらなドラえもんの設定ミスがこんなところで役に立とうとは。 ドラえもん「なるほど……… これなら時間犯罪者もいつかは僕らと接触を取らざるを得ないな。さすが出木杉君!!」ドラえもんは感心した。 のび太『ふん。 ジムバッジの独占など既に想定の範囲内。 寧ろ好都合だがな。』 と、のび太は心の中で言った。 確かにのび太にとって、ドラえもんたちにがバッジを集めるのは好都合だった。 スキを見て殺して奪えばいい。 しかし、問題はのび太には今、それを行う程の力がない事だった。 奴らの名前が分からない以上、ポケモンバトルで奴らのポケモンを全滅させて無理矢理奪うしか手は無いが、手持ちは、ポッポと、ケーシィ。 勝てる筈がない。 それなら自分が闘うしかないが、リスクがでかすぎる。 ならば、今からポケモンを、捕まえ手持ちを鍛え直すしかない。 この辺のトレーナーも粗方殺してしまったので、自分はもう経験値を得られる手段を失っている。 すると次の手は一つしかなかった。 のび太「ねぇ。ドラエモン。もうこの町から出ない?」 ドラえもんはのび太の突然の発言に驚いたがすぐに 「どうしてだい?」 と、訊いた こののび太という少年は全くと言っていい程頭がよくなかった。 あまり、下手な発言をすると、怪しまれる恐れがあった。 なんとか会話を出ていく話に操作するしかない。 のび太がまた、口を開こうとした瞬間、スネ夫が先に口を開いた。 スネ夫「確かに僕らはこの町から早く出た方がいいと思うよ」 のび太は予想外の発言に驚いたが、このままスネ夫に任せることにした。 スネ夫「だってさ、やつに先を越されてもしアサギのジムバッジを取られたら大変じゃない? また、面倒な事になるよ」 ドラえもん「どういう事だい?」 スネ夫「例えばね、 秘伝の薬も多分、独占可能だろうから、僕らが先にイベントクリアしてアサギのジムバッジも独占できれば、かなり有利になれるんじゃない?」 ドラえもん「成程ね。でも確かに秘伝の薬は独占可能だろうけど、ジムバッジは独占出来ないよ。 それはジムリーダーをジムに移動させるだけだから。まあ、例を挙げるなら、「誰かがウソッキーを退かせたら、皆あの道を通れるようになった」ということみたいなものさ イベントクリア後なら誰でもすぐに挑戦できるんだ。 しかし、時間犯罪者に先を越されたら、またジムリーダーを殺される危険性があるな。」ドラえもんは、すこし黙って考えた。 ドラえもん「よし、皆、今からアサギに行こう」 ジャイアン「そうくるのを待ってたぜ! こんな港町にも飽きたしな!」 ジャイアンもこの町を出たくてうずうずしてたらしい。 のび太『キシシシシ。 うまくいったぜwww』 物事は面白いように、のび太の思う様に進んだ。 その後皆はポケモンセンターから出て、秘伝の薬を貰いに行った。 スネ夫は行く途中でまた、時間犯罪者の攻撃があるのでは、とビビっていたが、 のび太『キシシシシ。俺が此処に居るのに出来る筈ねぇじゃんwww』 まあ、そんな事もあったが今回は、皆で無事に薬を貰う事が出来た。 そして、一行は時間犯罪者に会わぬようすぐさま、タンバを離れた。 しかし、その時間犯罪者がその一行の中に居ることは一人を除けば、誰も知らないことだった。 次へ
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前へ 空き地の激闘 のび太の部屋が徐々に明るくなり始めた。さっきまで真っ暗だったというのが嘘のようだ。 完全に光を取り戻したのび太は部屋をくまなく見た。しかし、何の変化も感じられない。 騙されたのか?のび太は急に不安になってきた。なぜかというとこれと言った変化が無かったからだ。 窓から見る風景も何の変哲もない。ふと、ズボンの腰の辺りに何やらボールが三個付いていた。 それは上が赤色で下の部分が白になっている。 間違いない、それはポケモンが入っているモンスターボールだとのび太は確信した。 「これは絶対にモンスターボールだ! きっと、強力なポケモンが入っているに違いない」 のび太はモンスターボールを手にとって喜びの声を上げた。 嬉しい――この瞬間はのび太にとって至福の時だった。長年憧れつづけていたものが手に入ったのだ。 強力なポケモンが入っている証拠はどこにもなかったが、ポケモンには絶対の自信を持つ自分が、 弱いポケモンを持っているとは夢にも思わなかった。 「ようし、早速家から飛び出してみよう。もう引きこもりはやめだ。 僕はこの世界に来た瞬間から最強のポケモントレーナーなのだ!」 奇声を発しつづけながら、家から飛び出した。もう落ちこぼれとは言わせない。 いきなりこの世界にやってきたドラえもん達の慌てふためく顔が目に浮かぶようだった。 特に聡明で底の知れない出木杉の慌てる顔が見ものだった。 のび太は出木杉とは比較的仲の良い関係を築いていたが、心の中では底の知れない奴と思っていた。 (ふふふ……出木杉め、今頃大慌てでいるだろうに……) ニヤリとほくそ笑みながら階段を駆け下りる。そして大急ぎで靴を履いて玄関のドアを押しあけると、 まだ見ぬ世界へと駆けだしていった。 のび太の街の空は既に夕闇を迎えていた。それでも満面の笑みを浮かべながら歩を進める。 目的の場所は特に決まっていなかったが、心が躍って歩きださずにはいられなかった。 とりあえず空地にでも行ってこようか?もしかしたらジャイアンとスネ夫辺りがいるかも知れない。 (あの二人に僕の最強のポケモンを見せつけてやろう) のび太の心臓の鼓動がさらに大きくなり、胸が高鳴る。 自分はこの世界では王様のようなものだ。そうのび太は感じている。 通りすがりの人達が好奇な目で自分を見ている。 今に自分の強さを目の当たりにし、尊敬の眼差しに変えてくるだろう……。 のび太の夢は膨らむばかりだった。 そしてようやく目的の空地に着くとのび太は愕然とした。 空地は土管が三つ積み上げられている。その積み上げられた土管にふんぞり返っている者が一人。 それに土管の傍らに突っ立っている者がいた。 空地にふんぞり返るとまず思いつくのはジャイアンだったが、 今――空地にふんぞり返っているのはまったく別の男だった。 のび太はその顔を知っていた。ポケモンのゲームに登場する確かハヤトという人物だった。 もう一人はセンリという物静かな雰囲気を纏った男だ。 ハヤトはこちらに敵意を持った目をぎらつかせて 「何だ? お前は。ここは俺達の縄張りなんだが」 明らかにのび太に警戒心を持った口調で言った。 「僕は野比のび太だ。この世界の主だ」 のび太は負けないように言い返した。少しの沈黙の後、ハヤトは大笑いした。 「ははははーっ! 馬鹿め! この世界の主だと!? ホラ吹きめ! この世界の主はレッド様だ! 貴様などではない! 貴様は反乱分子として最強の飛行ポケモンの使い手である、 このハヤト様がポケモンバトルに勝利した後に国王レッド様が住まわれる王宮に突き出してやる! センリ、いいよな?」 ハヤトは大笑いしながら横にいるセンリに問いかけた。 「良かろう……だが、お前の手に負えないようなら俺が挑むがいいか?」 落ち着き払った口調でセンリは言った。 「馬鹿め! このハヤト様がこんなへなちょこ野郎にやられるかってんだ。 それより、こいつのランキングが知りたい。俺はあれをもっていないのでな」 ハヤトは再びセンリに問いかけた。センリはポケットの中から何やら 黒いゴーグルのようなものを取り出した。 「このトレーナーランキングゴーグルを使えば相手の強さが分かるが 使う必要はなかろう。俺の予想ではあいつのランキングは3000位程度と見ている。 1603位のお前の相手ではなかろう。測るまでもない……」 厳しい目でのび太を観察するように見ながらセンリは述べた。 既に夜になり、暗闇に包まれてよく相手の表情は窺うのが難しかったが、 あの二人が自分が軽く見て、馬鹿にしている様子なのが見て取れる。 完全に舐められているのだ。のび太は二人のやり取りを聞いて、 この世界には相手の強さを把握するアイテムがあるのを知った。 あの二人は自分を3000位などと言ったが、のび太は自分のランキングは1位だと思うことにした。 (今に見ていろ。あの二人をぎゃふんと言わせてやる) 内心ではそう思っていたが、不安だった。それはハヤトが言ったレッドのことだ。 しかし、そのことは頭から離すことにした。それがいいのだ。 「勝負だ! かかってこい、野比のび太! ゆけっ、ピジョン!」 ハヤトは勢いよくボールを投げて大型の鳥の形をしたポケモンを繰り出した。 暗闇を自由自在に飛んでのび太を睨み付けている。羽を大きく羽ばたかせ羽毛を飛び散らす。 戦闘意欲は十分だった。それを見てのび太は不安になった。 のび太が持っているポケモンは何が入っているのか分からないのだ。 事前に調べれば良かったのだが、のび太はポケモンの世界にやってきた喜びで肝心なことを忘れていた。 (もしも弱いポケモンだったら……) コテンパンにされるだろう。 落ち着け、大丈夫だと自分に何度も言い聞かせながらモンスターボールを投げた。 ボールは眩い光を放ちながら地面に転げ落ちる。 そして中から青色を基調とした巨大なポケモンが姿を現した。 それはさながら特撮の怪獣のようなフォルムをしている。 鋭い爪や牙を備えていて、顔は特に鮫の中で最も獰猛と言われるホオジロザメに似ていた。 まるで鮫が立って歩いているかのようだ。それに加えて無駄な贅肉をそぎ落としたような姿は圧巻だ。 (大当たりだ) とのび太は内心思った。そのポケモンはガブリアスと言い、ドラゴンタイプ最強と言われている。 まさかガブリアスが入っているとは驚きだった。 もしも、事前にガブリアスが入っていることを知っていたらハヤトにビビることはなかっただろう……。 「ガブリアス、逆鱗だ!」 のび太はガブリアスに最強の技『逆鱗』を命じた。 のび太の命を聞いたガブリアスは突如狂ったように暴れ出し、体を回転させジャンプをして 空高く飛ぶピジョンに攻撃した。 ピジョンは一瞬にして飛翔する力を失い、急降下して血しぶきと共に地面に落下する。 「馬鹿な!? 俺様のピジョンが……」 呆然と立ち尽くしてハヤトは自分のピジョンを見ていた。 そして我に返って戦闘不能に陥ったピジョンをボールに戻すとその場にガクッと膝を落とした。 のび太は勝利したにも関わらず、ガクガクと体を震わせていた。 自分のガブリアスが一瞬にしてピジョンを戦闘不能にするのを見て恐怖すら感じた。 ポケモンバトルとはこんなにも恐ろしいものだっただろうか? それともガブリアスとピジョンのあまりの戦闘力の差か? どちらにしてものび太はピジョンを倒して主人である自分に褒めて貰おうとしているガブリアスの目を見て、 嫌悪感を抱かずにはいられなかった。恐ろしかった。 それでも徐々に優越感が込み上げてくる自分が嫌になった。 (これがポケモンバトルか……僕は甘く見ていた) のび太は罪悪感に苛まれつつ、絶望の表情を見せているハヤトに向かって言った。 「ハヤト、ピジョンは大丈夫かい?」 「心配は無用だ。このぐらいポケモンバトルでは良くあること。 ポケモンセンターに行けばたちどころに治る」 ハヤトは吐き捨てるように言った。ハヤトの敗北を目の当たりにしたセンリがのび太の前に出た。 「……ハヤトでは駄目だったか、ならば俺が相手になろう。 ちなみに俺のランキングは189位だ。いつもハヤトとつるんではいるが、 俺の実力はハヤトを遥かに凌ぐ。いくんだ、ケッキング!」 そう言ってセンリはボールを投げ、超巨大な類人猿の姿をしたポケモンを繰り出した。 その巨体は立ち上がると2メートルは下らないであろう。 しかし、なぜかそのポケモンは地面に横たわっていた。 「ケッキング、ギガインパクトでガブリアスに攻撃!」 「ガブリアス、逆鱗!」 のび太は逆鱗を再び命じる。ガブリアスはのび太の命令を聞くと再び狂ったように暴れ出す。 鋭い爪を突き立ててケッキングの腹部に突き刺した。途端にケッキングの鮮血が飛び散る――。 唯、ケッキングもやられっぱなしではなかった。 ケッキングは巨大な体躯を起き上がらせて立ち上がった。 立ち上がるとはるかにガブリアスよりも大きかった。 ケッキングは巨体を生かしてそのままガブリアスに突撃する。 ガブリアスはケッキングの一撃をくらってよろめいた。 やばい、このままギガインパクトを続けられたらガブリアスは持たない。 のび太がそう思った時、ケッキングは何を思ったのかまた地面に横たわった。 「ガブリアス、今だ! 反撃だ!」 のび太が叫ぶのと同時にガブリアスは横たわったケッキングに渾身の逆鱗を与えた。 ケッキングは悲痛の叫びの声を上げるとわずかにピクピクさせるだけでほとんど動かなくなった。 「トレーナーランキング189位のセンリが負けた? 野比のび太……いったいランキングはいくつなんだ?」 センリが敗れたのを見て更に絶望するハヤト。 「慌てるな、今……調べる」 センリはケッキングをボールに戻すと、上着のポケットから黒いゴーグルを取り出して 顔に付けた。すると、センリの額から汗が流れ出てきた。 明らかに脅えている。震えながらセンリは言った。 「トレーナーランキング127位だ!」 その言葉にハヤトは凍りついたようになった。 「127位だと!? いくらなんでもこんな間抜けな野郎が127位なわけないだろ! 何かの間違いじゃないのか?」 「確かに127位を示している。だがトレーナーランキングゴーグルの故障かもしれん。 最近、手入れしていなかったし、旧型でもある……」 闇夜の空地の周辺には既に街灯の明かりが灯され、 ポケモンバトル終了と同時に静けさも戻りつつある空地に忍びよる足音が聞こえた。 のび太が振り向くとそこには長身だが、頭が禿げあがっている老人が姿を現した。 トレーナーランキングゴーグルという、この世界独特の相手の強さが分かるアイテムをしている。 「センリとハヤトに勝利した君はなかなかのものだ。今度は私と勝負してくれないか?」 現れるや否や、突然のび太にポケモンバトルを仕掛けてきた。 「あなたは?」 ビックリしながらものび太は尋ねた。 「私はカツラ、唯の老いぼれだ。ほう、確かにランキング127位。 138位の私より数段上だ。だが、油断しない方がいい。 数々の修羅場をくぐりぬけ、長年鍛え抜かれた私のポケモンの力を侮らない方が身のためだ」 カツラの言葉とともにカツラの気迫と闘志がひしひしと伝わってくる。 (今度の相手は一筋縄ではいかない。気を引き締めなければ) カツラが発する百戦錬磨のオーラをのび太は敏感に感じ取った。この人は強い。 「カツラさんの登場か……。これで野比のび太の真価がわかる」 センリは二人の勝負に注目しながら言い放った。 空地は熱いポケモンバトルのフィールドと化し、戦う両者の気迫が支配した。 緊迫感が空き地全体に漂う。夜風を受けて草がゆれる。 のび太は気を振り絞ってモンスターボールを投げた。 手持ちの三匹の内、一匹はガブリアスだと確定したが、残りは不明だったので別のボールを投げた。 出てきたポケモンは二足歩行でヒト型に似るが、なによりキノコの笠を被った外見が特徴のキノガッサだ。 (やった、これまた大当たり!) キノガッサはかなり強力な部類のポケモンで、人気が高い。 「キノガッサか……。確かに強力なポケモンだが、私の炎ポケモンの前では無力。 ゆけえっ! ゴウカザル!」 喜んだのも つかのま、カツラが繰り出してきたのは最強の炎タイプの呼び声高いゴウカザルだ。 弱点である草タイプを持っているキノガッサでは相当不利だ。 のび太はカツラのことをゲームで知っているので炎タイプの使い手であると知っていた。 しかし、すっかり忘れてキノガッサが出てきたことを喜んでしまったのだ。 のび太は浅はかな自分を呪った。こんな調子でこの先勝ち抜いていけるだろうか? 「ゴウカザル、フレアドライブで焼き尽くしてしまえ!」 カツラの一言でゴウカザルが元々身に纏っている炎を強くし、 激しく燃え出させてキノガッサに情け容赦なく襲いかかってきた。 のび太はキノガッサをボールに戻そうとするが、まだポケモンバトルに慣れていなく、 あまりにもゴウカザル凄まじい勢いに咄嗟に対応出来なかった。 (ああ……どうしよう) 万事休すかと思われたその時であった―― 突然、空き地にゴウカザルの灼熱とも言える炎すらも いとも簡単に消し去る程の雨が降りしきる。 これこそ天の助けであった。ゴウカザルが突然攻撃を止めて苦しみ出した。 ゴウカザルの元々纏っていた炎すらもかき消える。 (ゲームとは違って良かった) のび太は内心思った。これがゲーム通りであったならば、 雨が降っていようがゴウカザルのフレアドライブによって一瞬にして倒されていただろう。 のび太はこれこそ天の助けとばかりに歓喜した。 反対にカツラは天を睨みながら、雨を呪っているように見えた。 「………雨かね。これでは私の炎ポケモンは成すすべがないね。 君は本当に運がいい。天に感謝しなさい、雨が降らなければ君は負けていたのだから。 私には分かるよ。君はランキングが私より上でもポケモンバトルに慣れていない。 あの時、咄嗟に別のポケモンに交代させることもできたのだ。 なのに君はポケモンを交代させることをしなかった。これ以上続けても恥をさらすだけだよ。 もしも、このまま続けていたら……。 私のポケモンは一匹も倒されずに君のポケモン三匹を倒していただろう。 私には分かる……君は素人だ」 カツラは淡々と言葉を続けた。冷静な語り口だった。 のび太はその言葉に怒りを覚えた。 ポケモンのゲームを何百時間もプレイした自分を甘く見られるのが許せなかった。 「ふざけるな! 僕は誰よりもポケモンに詳しいし、誰よりも強いはずだ!」 のび太は激高してカツラに怒鳴った。のび太のどなり声が雨の中、周辺近所に響き渡った。 「意地を通さずに認めなさい、君は弱い。 まず自分の弱さを認めない限り、強くはなれないよ。 それより雨が強くなってきたから、皆帰ろう。さらば」 カツラは大人びた口調で子供を諭すかのように言った後に背を向けて去ろうとする。 センリとハヤトもそれに従う。 「待て、お前ら! お前らには僕の強さが分からないのか!? それに僕はこの世界を作った創造主なんだぞ! 僕はこの世界で一番偉いんだ!」 のび太は去ろうとする三人に向かって怒声を浴びせた。 それを聞いたカツラは去ろうとする足をピタリと止めて言った。 「……二度とその言葉を口にしない方がいいよ。 反乱分子としても捉えられかねん、この世界の主は宮殿に住まわれる国王レッド様だ。 それを肝に銘じたまえ、青年よ」 カツラは何やら遠くを指さして言った。その指先には見たこともない宮殿が立っていた。 のび太は今まで気づかなかった。あんなところに宮殿が建てられていたなんて……。 「カツラさん、そう言えばさっきもこいつ……『この世界の主だ』とか言ってましたぜ」 ハヤトは思い出したかのように言った。それにセンリも無言でうなずく。 「そうか、それは危険だな……」 カツラの表情が険しくなる。 「カツラさん、こいつを捕らえて王宮に連れ出した方がいいかもしれません」 冷静にセンリがカツラに意見した。 「いや、その必要はないだろう。我々が捕らえなくても レッド様の命を受けて反乱分子を見つけ出す者がこの街にたくさん潜んでいる」 そう言うとカツラはセンリとハヤトと共に空き地から姿を消し、 のび太はしばらく呆然と空地の中央に立ちつくしていた。 次へ
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前へ 暗い暗い闇の中。 僕はずっとその中を泳いでいた。 いや、正確には僕は泳げないから、漂っていたと言った方が正しいかな。まぁそれはどうでもいいけどね。 ところで、僕はどの位の距離を、何時間、何日、いや何ヵ月泳いでいたのだろう。 それは僕には、全く分からなかった。 見当もつかなかった。 ただ、あの忌まわしい記憶は残っている。 シジマさんや海パン野郎達を躊躇無く殺していった事を。 僕は突然、言いようもない感じ(罪悪感って言うのかな)に襲われ身震いした。 何故あんなことをしたんだろう。 心が痛くなった。 その時だった。 突如目の前の闇を突き破り、一筋の光が差しこんだ。 その光は形を変えてゆく。 それは人の形をしている。僕の大好きな人。 僕はそれが誰か知っていた。 「しっ、しずかちゃん!」 僕は叫びをあげ、しずかちゃん元へ無我夢中に泳ぐ。正確にはもがく。 しかし泳げども距離は縮まらない。僕は自分の水泳の才能を呪ったが、そんな事はどうでもいい事だった。 しずかちゃんは言った。 しずか「………たさん……びたさん……のび太さん。」 のび太「しずかちゃぁぁーーーーん!」 彼女の囁きで、僕はもがきのペースを早めた。 いつのまにか涙が溢れ、顔はぐちゃぐちゃになっていた。 しずかちゃんはそんな僕に、一瞬微笑みを浮かべると僕の方へ(まるでタケコプターでもついてる様に)飛んで来た。 のび太「しずか……ちゃん?」 僕は囈の様に言う。 すると、しずかちゃんはもう一度僕に微笑みを投げ掛け、耳元で一言囁いた。 しずか「のび太さん……。 皆を……皆を……助けてあげて……。」 しずかちゃんはそう言うと僕の元から離れ、上の方へ(闇の中で言うのもなんだけど、まぁ僕の頭がある方が上だろ。常識的に。)飛んでゆく。 のび太「しずかちゃぁぁーーん!」 僕は懸命にしずかちゃんを追いかける。 のび太「しずかちゃん! 皆を……皆を救うってどういう事!? ねぇ!しずかちゃん! 待ってよぉー。ねぇったらぁ!」 僕はかつて無い程の必死さでしずかちゃんを目指す。 涙と鼻水で化粧された顔は、かなり不細工なものになっていたであろう。 しかし僕は泳いだ。 しずかちゃん目指して。 僕の心の一つの輝き、そして光。それを目指して。 僕は光を求め、重いまぶたを開いた。 舞台は戻って自然公園。 のび太「………うーーん……。」 今にも起き上がろうとするのび太にゲンガーは唖然とする。 ゲンガー「な……何故こんなに早く起きれるんだ……。」 ドラえもん「僕は始めから思ってた。 君を捕まえる事は出来ないってことをね。 だから、ボールを囮にして『はっかのみ』をのび太君に投げ与えたんだ かなりリスキーな作戦だけど成功して良かったよ」 ドラえもんの言葉を聞き、ゲンガーはぎょっとする。 ここでわざわざのび太を起こしたということは、次に来る策はただ一つ。 ゲンガー『俺をボールに回収する気だなッ!』 ヤバイ、これはマジでヤバイ。 奴があの眼鏡猿を起こしたのは、自分の『所有者』であるのび太に自分をボールに回収させる為だろう。 ボールの中に入れば如何に自分のレベルが高かろうと無力な存在。 眼鏡猿の所有権は解除してしまったから、もう一度、あのルールを満たさない限り奴を操る事は出来ない。 故にボールに収められたらもう終り。 絶対絶命のピンチだ。 しかし、まだ希望が潰えた訳では無い。 ノートのルールにより、のび太はここに至るまでの過程の記憶が全く無い。 故に、今すぐこの状況を理解する事は到底不可能だろう。 奴の単純な性格は、タンバまでの追跡、数日間を共にした日々で良く分かっている。 自分の話術なら、『かなしばり』が解ける残り数十秒位なら上手く時間を稼げるだろう。 解けたら即、あぼーんさせれば良い。 ゲンガーは簡単に作戦を立てると、まだ寝起きたばっかりののび太の元へと近づいた。 ゲンガー「おい、のび太!ヤベエぜ、お前がタンバで人殺したのがバレてんぞ。皆俺達を許さねえって言ってるぜ。どうするよ?」 とりあえず、今の状況を誤魔化す為に嘘の情報を流さなければ。 安い策だが、寝起きのまだ働いてない脳味噌には効果抜群だろう。 それを見たジャイアンはヤバイと思い、のび太に指示を飛ばす。 ジャイアン「おーい!のび太!騙されんな!早くそいつをボールに戻「アーーーーー、アーーーーー。 なんて言ってるのか聞こえないなぁ。アーーーーー。」 ジャイアン「あの野郎……。 ワザと大声を上げて、俺の声をかき消してやがる……」 ジャイアンは唇を噛む。 単純だが、時間を稼ぐには最良の手だ。 成程、最初にのび太に接近したのもこの為か。 ジャイアン「おーい!のび太!聞こえるだろうよぉーッ!のび太ぁぁ!」 ゲンガー「ワーーーーー、ワーーーーー。キシシシシシ。あのデブゴリラ。無駄なのによぉ。」 尚も声を上げるジャイアンを見てゲンガーはあざ笑う。 ゲンガー『さて、そろそろ『かなしばり』が消えるな。 そしたらまず眼鏡を消し去って……。ん?』 そこまで考えて彼は気づいた。目の前の少年の顔に。 涙でぐしゃぐしゃになり、憎しみを込めてこちらを睨んでいることに。 そして、一番ゲンガーの精神を揺さぶった事は、彼の手にモンスターボールが握られていた事だった。 ゲンガー「テメエッ!何を!」 のび太「何をって……?見たら……見たら分かるだろ…… 時間犯罪者……お前を……封じ込める!」 有り得ない。この状況で奴がこんな行動をとれるのは有り得ない。 第一、ここに至るまでの記憶は無いし、ジャイアンの指示も全て聞こえなくした。なのに何故…… のび太「僕は……夢を見た。 しずかちゃんの夢を。君が……君がしずかちゃんをッ!だから……君は……僕が封じ込めてやる!」 のび太はモンスターボールをゲンガーの方へと傾ける。 ゲンガー「ガキがぁぁーーーー!調子に乗るんじゃねぇーーーーッ!」 ゲンガーの激昂が天に轟いた瞬間、彼の肩がすぅっと軽くなった。 ドラえもん「ヤバイ!『かなしばり』が解けた!」 ドラえもんも叫ぶ。 ゲンガー「食らえッ!シャドーボールッ!」 のび太「戻れ、ゲンガー!」 凄まじい光が辺りに発生する。 その光に驚き、ゲンガーは目を瞑る。 そして彼は光が消えると、再び目を開いた。 目の前に、あのにっくき眼鏡猿は居ない。 ゲンガー「キシシシシシ。 キシシシシシ!」 ゲンガーの笑いが響く。 彼は辺りを見回すが、回りには最早誰もいない。 ゲンガー「みんな……みんな消し飛びやがったぁッ! キシシシシシ!雑魚共めッ!」 ゲンガーは笑った。笑う事しか出来なかった。 何故なら……彼は今檻の中の『無力な存在』だから。 あの瞬間……、始めに光弾を放ったのはゲンガーだった。 しかし、それがのび太にぶつかるかぶつからないかの瞬間、『あなをほる』で回りこんだジャイアンのイノムーが、二人の間に割って入ったのだ。 イノムーが吹っ飛ばされた次の瞬間……ゲンガーは無事ボールに回収されたのである。 舞台は戻る。 時間は止まっていた。 誰もすぐには動かなかった。 本当に終わったのか?そんな考えが皆を包んでいた。 しかし、しばらく時が経ち、ゲンガーが飛び出して来ない事を確信すると、スネ夫はヘナヘナとその場に腰をおいた。 スネ夫「……お……終わった……」 スネ夫に釣られたか、皆緊張の糸が解け、その場にヘタリ込む。 ジャイアン「勝ったのか……? 勝ったのか?俺達は?」 ドラえもん「勝ったよ……僕達は……」 ジャイアン「そうか………」 ジャイアンもすっかり骨無しになっている。 するとヘタリ込む三人の前に、目を赤くした少年がやって来た。 そいつは言った。 のび太「皆……皆……ごめん……本当にごめん…… 今まで何が起こってたか分かんないけど…… タンバの……タンバのシジマさんを殺したのは……僕なんだ……」 ジャイアン「なんだっ(ry」 思わず叫ぼうとしたジャイアンの口をドラえもんが塞ぐ。 そしてドラえもんは言った。 ドラえもん「それは本当かい?」 ドラえもんの問いに、のび太涙を拭き無言で懐から小さい何かを取り出す。 それは紛れも無く、タンバジムバッジ、ショックバッジだった。 のび太は続ける。 のび太「……誰にも……勝てなくて……僕が……泣いてた時……ノートを拾ったんだ…… そして……僕は……」 ドラえもん「それ以上言わなくていい。」 ドラえもんはそう言い、のび太にハンカチを差し出した。 ドラえもん「大丈夫だよ、のび太君。僕らは……君を許すよ」 のび太「ドラえもぉぉぉん!!」 のび太はドラえもんに抱きつき、体を任せた。 溢れる涙を止める事は出来なかった。拭えど拭えど止まらない。 ジャイアン「泣かせやがる………」 スネ夫「うん……」 二人も貰い泣きしていた。 その時、 ?「いやぁ、友情という物は美しい物だねえ」 見知らぬ男がこちらを見て拍手をしていた。 その姿はピッチリとしたスーツに包まれた、さながら戦隊もののヒーローのようだった。 スネ夫「誰だい?君は……?」 男「君に答える義務があるかい?」 スネ夫は素直な疑問を述べたが、男に即打ち消されてしまった。 その言葉にカチンときたのか、ジャイアンが男に詰め寄る。 ジャイアン「オイオイ…… お前が何処の誰だか知らないけどさ、何様のつも……」 ジャイアンの言葉はそこで止まった。 男の拳がジャイアンの体に当て身を食わせたのだ。 のび太「ジャイアン!」 驚きを隠せない一同に、一方男はトランシーバーのような物で誰かと会話する。 男「アー、こちら……。これから容疑者の確保に入る。 作戦開始!」 次の瞬間、 スネ夫「プギー!」 謎の光線に当たり、スネ夫が倒れた。 ドラえもん、のび太「スネ夫ーッ!」 のび太とドラえもんは反射的に光線の出どころを見る。 そこには、男と似たような格好をした女がそこに立っていた。 手には光線銃が握られている。 ドラえもん「一体これは何……」 男「おやすみ。」 男は光線銃を取りだし、その引金を引いた。 その場に二人の人間が倒れた。 男「よし、回収だ。」 男はのび太の元へと歩み寄り、その手から乱暴にモンスターボールを奪い取る。 のび太は薄れゆく意識の中、必死に意識を保ち彼らの話を聞いていた。 男「えー、もしもし? タイムパトロールですか?たった今容疑者を確保しました。 時代と次元は……」 のび太『タイムパトロールだって!?』 のび太は驚く。 女「待って、この子まだ意識があるわ!」 ヤバイ。 のび太の血の気が引く。 男「じゃあ、もう一発撃って早く眠らしちゃいなよ」 ビビビビビビビ。 それはのび太の聞いた最期の言葉になった。 ボールを回収し終えた二人は、迎えのタイムマシーンに乗り元の時代へと引き返していた。ついでにノートも回収してきた。 女が言う。 女「あの子達はどうしたの?」 計器を確認しながら男は言う。 男「別の班が動いてる。 記憶と時間を少々操作して現実世界に返してやるんだってさ。 多分彼らが次に目覚めるのは彼らの寝床だよ。」 女「そう。」 女は一息つく。 男「それにしても、最後にアイツを封じ込めたあのボールは凄かったな。 23世紀の科学顔負けだよ。 『モンスターボール』って言ったっけ? 同じ名前の秘密道具があった気がするけど」 男はゲンガーの入ったモンスターボールを手に取り、呟く。 女「時間犯罪者の記憶の操作は?」 女は再び疑問をぶつける。 男「『ゲームの記憶』だけ消し去ってるよ。 後、暴れないように力を弱くしておいた。 奴も23世紀に戻れば裁かれるんだろうな おっと……」 突如、タイムマシーンの機体が揺れ動く。 女「どうしたの?」 男「時間の乱気流にはいっちまったみたいだ。大丈夫、すぐに……おわっ!」 女「きゃあああああ!」 機体が大きく傾き二人は壁に体を叩きつけられた。 しかし一息つくと、また逆に叩きつけられる。 まるで箱の中に入れられて振り回されているようだった。 女「きゃあああああ!」 男「慌てるな!すぐに収まる!」 数分後、男の言う通り機体の揺れは収った。 二人はホッと一息つく。 女「イタタタタ……。 あんな時の乱気流は久しぶりに体験したわ。」 女は肩を押さえながら呟く。 男「そうだな……。くそっ、俺は膝をうっちまった……。ああああッ!」 男は突如すっとんきょうな声を上げた。 女「どうしたの?」 女の問いに、男は無言で計器を指さした。 女はそれを見て真っ青になる。 なんと計器がメチャクチャに壊れていた。 これでは航行不能だろう。 男「畜生!ここまで……ここまで来たのに……!」 女「嫌よ!私死ぬの嫌よ! ねぇ!どうするのよぉ!」 男「慌てるなッ! あ…………機体が……崩れてゆく……」 女「きゃあああああ!」 二人の健闘も虚しく、二分後船は時間と次元の波へと飲まれていってしまった。 「うーん……、はっ、ここは?」 明るい陽射しを浴び、『彼』は目を覚ました。 ここが何処かは分からないが、何とか自分が生きている事は分かる。 タイムマシーンが途中航行不能に陥った事は覚えている。 それと、自分が23世紀で犯罪を犯し、逃げてきた事も。 とりあえず、彼は意識をはっきりさせようと、顔を洗いに近くの水場へと足を運んだ。 「ん?やけに体が軽いな」 彼は自分の身の軽さに違和感を感じつつも、顔を洗いに水場へ顔を寄せる。 その瞬間、 「なんじゃこりゃあああああああ!!!!」 水面に映った自らの姿を見て、彼は100デシベルに達するか達しないかの声を張り上げた。 「え?え?どうなっちまってるんだ?」 彼は水面を除き込む。 その姿は幽霊や死神の様な類の姿をしていて、お世辞にも人間と呼べる様な物ではなかった。 「何だよコレマジで。こんなんじゃあまともに外も歩け……イテッ。」 すると、失意に沈む彼の上から何やら冊子の様な物が落ちてきた。 「イタタタタ、なんだよコレ……。」 彼は反射的にそれを見て拾いあげた。 黒いノートだ。 彼はこのノートをパラパラと捲り呟く。 「俺……このノート知ってる……。 使い方も……ルールも……。」 『彼』は呟く。『彼』は知らない事だが、どうやら「ゲームの記憶」を消されても「ノートの記憶」は残っていたらしい。 そして、自分は今『宿主』になる人間を探さなければならない事も何となく知っていた。 ?「よーし、ケーシィしか居ないけど頑張るぞー 僕が一番乗りで現実に帰るんだ!」 ヤベッ、誰か来る。 『彼』はノートを掴み、そそくさと物陰に隠れる。 数秒後、『彼』の前を如何にも頭が悪そうな少年が音痴な鼻唄を歌いつつ、通り過ぎていった。 現実?帰る?意味が分からない。 「あのガキは……とりあえず、跡をつけてみよう。 現実に帰るとか気になる事を言ってたし……。 頭悪そうだから……もしかしたら利用出来るかもな!キシシシシシ。」 彼はこっそりとのび太の跡をつける事にした。 彼がタンバでのび太少年にノートを与えるのはまだ未来の話。 そして、彼が今までこのシチュエーションを何度体験してきたかは、最早誰も知らない事であった。 そして彼は知らない。自分は今、無限の時の中で同じ事を無限に繰り返している事を。 そして舞台は現実世界に戻る。 ピピピピッ、ピピピピッ、ピピピピッ、ピピピピッ。 のび太「うーん。」 今日もけたたましく鳴るアラームの音。 のび太はそれを止めるべく、手を伸ばした。 カチッ。 スイッチを押された目覚まし時計は急におとなしくなる。 のび太「おやすみ……」 のび太は再び夢の中へとGO BACKする。 のび太は気づいていないが、今は8時。小学校ではとっくに遅刻の時間だ。 そして彼はまた気づいていない。目の前の鬼に。 「のぉびぃたぁ……!」 鬼が怒りを浮かべた声を上げるが、のび太は のび太「うーん、行けっ、ケーシィ…… ああ、テレポートばっかしないで戦ってくれよぉ。」 ママ「のび太ぁぁ!!!!」 のび太「うあああああああああ!」 ママの雷が落ち、のび太はトーストをくわえ家から飛び出した。 ドラえもん「やれやれ……のび太君は……」 ドラえもんは小さくため息をついた。 のび太はすすきヶ原町を学校目指し、爆走する。 のび太『最高速度で……この角度を……曲がるッ! のび太、いっきまーす!』 しかし残念ながらアムロ・のび太は角を曲がりきることは出来なかった。 突如、横から来た誰かにぶつかったからである。 「オフッ!」「スップリングッ!」 のび太はその衝撃で吹き飛ばされた。 のび太「イタタタタ……。誰だよ……。 ん?ジャイアン?」 のび太の顔が青ざめる。 ジャイアン「のび太ぁぁ!」 のび太「ひいいいいッ!」 のび太は死を覚悟した。 その時、 出木杉「やぁ、野比君に、タケシ君じゃないか。」 ジャイアン「出木杉ィ。」 ジャイアンは思わずのび太への攻撃を止めた。 ジャイアン「出木杉が遅刻なんて珍しいな。」 出木杉「今日は起きるのが遅くてね。 変な夢も見たし。」 ジャイアン、のび太「変な夢?」 のび太とジャイアンは気になり、訊く。 出木杉「いやぁね、皆でポケモンの世界に行くって夢さ。 余り覚えてないんだけど。」 ジャイアン「なんだぁ、その夢w」 ジャイアンは笑い出す。 出木杉「まぁいいよ、笑ってくれても、所詮夢だし。ああ、それと野比君」 出木杉はのび太の方を向く。 出木杉「僕の後ろからやす夫君とはる夫が来るんだ。どうせ遅刻するんだし、もう少し待ってようよ!」 スネ夫「まさか、優等生の出木杉がそんなことを言うとはね。」 嫌味な言葉と共に現れるスネ夫。 のび太「スネ夫!」 スネ夫は続ける。 スネ夫「ちなみに僕の後ろからはしずかちゃんが来るよ」 ジャイアン「なあんだ、皆遅刻してんじゃねえか。」 ジャイアンの言葉に、今度は皆が笑った。 そして数分後。 ジャイアン「よーし、皆揃ったな。じゃあ、学校目指してしゅっぱーつ。」 総勢七名の遅刻者は学校を目指し歩き始める。 誰もゲームの事を覚えていない。 学校には遅刻しているが、皆はこのふとした日常に幸せを感じていた。 のび太も、そんな日常がいつまでも続けばいいなと思った。 『キシシシシシ。』 のび太「ん?」 のび太は何か聞こえた気がして立ち止まった。 ジャイアン「おーい、のび太、何してんだよ置いてくぞ~」 スネ夫「全くのび太はノロマだな。」 のび太「待って、今行く~」 のび太は走り出した。 のび太『気のせい……かな?』 こうして青い空の下、彼らの日常はまた静かに過ぎてゆくのであった。 ―ポケモンとのび太とノートと完― あとがき 605 名前:ポケモンとのび太とノートと ◆C1aEnJaUS2 [sage] 投稿日:2007/06/01(金) 22 12 05 ID ??? これでポケモンとのび太とノートは終了です。 たびたびの猿さんには焦りましたが、最後まで投下出来て良かったです。 この作品を書き終えれたのも、単に初心者である自分を助けてくれた皆さんのお陰だと思います。 本当に今までありがとうございました。